爆笑問題 太田光さん  (撮影/写真部・東川哲也)
爆笑問題 太田光さん  (撮影/写真部・東川哲也)
爆笑問題 太田光さん  (撮影/写真部・東川哲也)
爆笑問題 太田光さん  (撮影/写真部・東川哲也)

 社会を切り取り、笑いを生み出してきた爆笑問題の太田光さん(55)。今の世の中を独創的視点でぶった斬る。

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【前編/爆笑・太田光「小池さんは大した玉、菅さんはあの程度の存在、コロナ恐れるな」】より続く

*  *  *

──桜を見る会問題で騒がれている安倍前首相はどう見ていますか。

 安倍さんは強権的って言われるけど、あれだけ悪口を言われた総理も珍しいよ。アベノマスクのときの言われようといったらなかったよね(笑)。僕らも安倍さんのネタはできないんじゃないかって散々言われたけど、毎日のように茶化していたし、自民党から圧力がかかるなんてこともなかった。言論を封じ込める力を持ってるという、本来の姿以上の印象をみんなが勝手に抱いていた。それはたぶん憲法改正論者で、それを前面に出していたからでしょうね。

──憲法といえば、国民は改正について議論しないといけないとわかりつつ、避けてきたような印象です。

 そのもやもやした感じは戦後ずっとそう。でも、実はそれが日本なんですよね。先日、たまたま木村拓哉さんの「教場II」っていう警察学校を舞台にしたドラマを見て、日本の警察官の役割について考えたんだけど、彼らは拳銃を持っていながらほとんど発砲することはない。米国では警官が黒人に向かってガンガン撃つじゃない。あれを見てると日本は優秀だなと思う。これは日本人じゃないとできないだろうし、自衛隊も同じだよね。

──武力行使を制限されてきました。

 軍隊があやふやな存在にされているんだけど、うまく立ち回っていろんな状況をすり抜けてきた。日本という国は銃を持っているんだか持っていないんだかって状態で今まで来ていて、僕なんかはいい加減だから、ある意味そうやって無責任な態度を取り続けていく賢さっていうのが、この国にはあると思ってる。憲法改正しようがしまいが、この日本人のメンタルっていうのはそう変わらないんじゃないかな。国民投票すればいいと思うけど、憲法上、白黒はっきりさせたとしても、日本のあり方自体は変わらないだろうなって思う。

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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