芸能デスク だけど、テレビ局やスタジオがある東京まで電車で2時間くらいはかかるだろう。何故、そんな遠くを選んだの?  優秀な社員は辞めちゃうんじゃないか。

芸能記者C まだ決定事項ではなく、検討中の段階で、アイデアの一つらしいです。そもそも、芸能事務所のマネージャーはほとんど現場にいて、会社にはほとんどいないんですから、そんなに一等地の本社ビルはいらない。それがテレワークでもっと進行しちゃった。

芸能記者B そう言えば、私も有名俳優を多数抱える別の芸能事務所関係者から、都内の一等地から、東京の下町の浅草に引っ越すっていう噂を聞きました。

芸能記者デスク どうして、また浅草なんだ。

芸能記者B もともと、浅草は日本の芸能界スターの発祥地ですからね。1950~70年代、浅草国際劇場で公演をすることはとってもステータスだった。ザ・ドリフターズ、ビートたけし、渥美清、萩本欽一、美空ひばり、浅香光代、淡谷のり子、村田英雄、伊東四朗、水の江瀧子、沢村貞子、永六輔らさまざまな芸能人が芸を磨いた。

芸能デスク 移転する理由は?

芸能記者B やっぱ、都心の一等地は家賃がベラボーに高すぎますよ。そういう高いところで芸能活動をするよりは、新しい仕事の仕方とか働き方を目指そうということですよ。

芸能デスク 芸能事務所が自分のところで育てたタレントをつなぎとめるのも、だんだんと厳しくなってきたからなぁ。売れっ子タレントは個人事務所を持つのが今やあたり前。独立したタレントに「テレビに出るな」と露骨に圧力をかけるのも批判されるからね。

芸能記者A だから、これからの芸能事務所のトレンドは東京の一等地のおしゃれなオフィスを縮小し、「脱東京」だったり、浅草のような下町で再出発するってことですね。

芸能デスク 日本の芸能界を創ってきた大手芸能事務所のドンたちもみんな80代、90代になってきたからね。新しい姿を模索するのは当然の流れではある。

芸能記者C 当面は、コロナ禍でもつぶれたりせず、生き残ることが肝心ですね。

(構成 本誌・上田耕司)

※週刊朝日オンライン限定記事

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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