コロナで疲弊する看護師の現実「世間はGo To楽しんでいるのに」

新型コロナウイルス

2020/12/06 08:02

※写真はイメージです (GettyImages)
※写真はイメージです (GettyImages)
聖路加国際病院の医療者バーンアウト率 (週刊朝日2020年12月11日号より)
聖路加国際病院の医療者バーンアウト率 (週刊朝日2020年12月11日号より)

 コロナ禍で看護師の「燃え尽き症候群」が懸念されている。極度のストレスや疲労などからくる徒労感や無力感で、仕事への意欲を失うケースもある。看護師不足が叫ばれるなか、さらなる離職は医療崩壊にもつながりかねない。患者の命を救うためにも、まずは看護師を守らなければならない。

【表】聖路加国際病院の医療者バーンアウト率はこちら

 コロナの最前線で働くのは、ICUの看護師だけではない。3月から発熱外来を担当している看護師のTさん(30代)も、常に感染リスクと闘いながら患者と向き合っている。Tさんの医療機関では、一般外来に来た患者にまず看護師が問診し、熱や咳(せき)などの症状があった場合、発熱外来を一度、受診してもらうことになっている。

 発熱外来は救急外来の一角に作られていて、汚染エリア(レッドゾーン)とグリーンゾーンにわかれている。防護具を着ているときは、レッドゾーンから一歩も出られない。狭い閉鎖空間で、発熱や咳がある“コロナ疑い”の人たちを問診し、のどのぬぐい液を採取してPCR検査にまわす。

 陽性かもしれないと、不安を抱える受診者。なかには違う病気の可能性が高いが、熱などの症状があるため発熱外来に来た人もいる。「俺はコロナじゃない!」と怒りだす人に対して、検査の必要性を説き、不安を和らげるのも仕事だ。

 患者対応以外にも苦慮することがあった。

 Tさんの職場では発熱外来を受け持つ医師は、持ち回り制のため、呼吸器内科など内科系の医師だけでなく、耳鼻科や眼科などの医師も担当している。

「どの診療科の医師でも対応できるよう診察マニュアルはありましたが、読んでいない医師が多かったですね。ある診療科の医師は、呼吸器症状がある高齢の陽性患者さんに気管挿管するかしないかで悩み、呼吸器内科の医師に内線で相談していました」

 防護具の着脱もトレーニングは受けているものの着慣れていないので、汚染された部分にうっかり触ってしまうことも。

「『そうやって脱いじゃダメです』とか、私たちが教えていました」

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