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![知っておきたい「首下がり症」対策6つのポイント (週刊朝日2020年12月4日号より)](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/5/5/840mw/img_55e36c9837d5d4a870de43d9b426ec2998292.jpg)
![東京医科大学整形外科ホームページから](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/c/f/840mw/img_cfb17d1be5002be5490765c0cfc48d9b86845.jpg)
「首下がり症」をご存じだろうか。首下がり症候群とも呼ばれ、首が前に垂れ下がってしまう症状。意識をしなければ顔を上げることができないため、日常生活にも支障が出る。予防が何より大切で、栄養(たんぱく質)不足に要注意。適度に体を動かし、同じ姿勢を避けるだけでも違うという。
人はつらいときこそ顔を上げ、前を向く。故・永六輔さん作詞の名曲「上を向いて歩こう」そのものだ。しかし、心も体も前を向きたくても、首が上げられずに、そうできない人がいる。「首下がり症」に悩む人のことだ。
東京都在住の80代の女性。高齢者施設に入った翌月に、「首下がり症」になっていたのを対面した家族が発見した。
「顔を、上げてみて」
家族が声をかけると一瞬だけアゴを上げるが、次の瞬間にカクンと垂れ下がる。ずっとうつむく姿には生気が感じられず、家族のほうが気落ちしてしまった。
周囲も後ろ向きになってしまう症状なのだ。
「首下がり症」に詳しい東京医科大学整形外科准教授の遠藤健司さんに話を聞きに行った。遠藤さんは自身が肩こりに苦しんだ経験から、『肩・首・腰・頭 デスクワーカーの痛み全部とれる 医師が教える最強メソッド』(かんき出版)ほか、多くの著書でこりの解消法を発信している。
「『首下がり症』は、一般的には首と背中の間にある筋肉の筋力低下により起きるものです。ひどくなると信号で渡り切ることができず、外出もままならない。『動作維持困難症』とも表現されます。アゴが胸にくっついた姿勢となるため、『チン・オン・チェスト(chin on chest)変形』という呼び名もあります」
「筋肉」に問題があって発症するため、「骨」や「関節」が変形する「後わん症」と違い、「柔らかさがある首」で、仰向けで横たわるとまっすぐになるのが特徴だ。
どういう人がなりやすいのか。
「75歳以上の女性が一番多く、栄養(たんぱく質)不足も問題です。年をとり、痩せてきたという人は男女ともに危険因子があるといえます」