「焦らない、あきらめない」統合失調症“再発予防”のための心構え (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「焦らない、あきらめない」統合失調症“再発予防”のための心構え

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熊谷わこ週刊朝日#病気
村井俊哉医師(左)、三家英明医師

村井俊哉医師(左)、三家英明医師

統合失調症データ (週刊朝日2020年11月27日号より)

統合失調症データ (週刊朝日2020年11月27日号より)

 統合失調症は、幻覚や妄想などの急性期の症状を薬物療法で抑えられたあとも、再発に注意しなければならない病気だ。回復までには、精神科デイケアなどのリハビリテーションや、家族の対応も重要になる。

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 統合失調症は抗精神病薬が進歩し、多くの場合、急性期の幻覚や妄想といった激しい症状は薬物療法で改善できるようになった。しかし再発しやすく、症状が治まったあとも薬を続ける必要がある。急性期のように強い症状を抑え休息をとることが目的ではないため、薬の量を減らし、日中の活動を徐々に増やしていく。京都大学病院精神科神経科教授の村井俊哉医師はこう話す。

「特に発症から2年以内は再発しやすく、1年後の再発率は服薬を続けていれば27%なのに対し、中断した場合は64%になるという報告があります。また再発を繰り返していると、次第に抗精神病薬の効果が低下して幻覚や妄想を抑えづらくなり、回復に時間がかかるようになります」

 薬の中断は再発につながる最大のリスク要因だが、飲み忘れは1日1回の服用で済む内服薬や2~4週効果が持続する持続性注射薬を使うといった工夫でリスクを減らせるようになった。

■病気を理解し上手に付き合う

 しかし自ら薬を飲まなくなったり、通院をやめてしまったりするケースも多い。三家クリニック院長の三家英明医師はこう話す。

「症状が治まっているのに薬を飲み続けるのはなかなか納得しづらいものです。さらに本人や家族も統合失調症に対する偏見や差別意識を抱いていて、この病気と早く縁を切りたいと治療をやめてしまうことも少なくありません」

 治療を滞りなく進めるには、糖尿病や高血圧など他の慢性疾患の場合と同様に、統合失調症という病気を理解し、症状のコントロール方法などを学ぶ「心理教育」が欠かせないと三家医師は言う。

「薬の役割がわかれば、服用を続けることが必要だと納得できます。また再発の前兆は、眠れなくなる、イライラする、食欲がなくなるなど人によって違います。自分の再発サインを把握し、対処する方法を身につけておけば、早期に発見して悪化を防げる可能性も高くなります」


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