おがわ・さら 1996年、東京都生まれ。高校時代から女優と映像製作を始める。2019年、早稲田大学卒業。同年の朝の連続テレビ小説「まんぷく」の立花幸役で注目を集めた。監督4作目、初長編映画「海辺の金魚」は来年公開予定。(撮影/松永卓也)
おがわ・さら 1996年、東京都生まれ。高校時代から女優と映像製作を始める。2019年、早稲田大学卒業。同年の朝の連続テレビ小説「まんぷく」の立花幸役で注目を集めた。監督4作目、初長編映画「海辺の金魚」は来年公開予定。(撮影/松永卓也)

 掃き溜めに鶴のごとし。本誌編集部に颯爽と現れたのは、女優兼映像作家の小川紗良(24)。2016年本誌女子大生表紙モデルでもある。

【写真】小川紗良が女子大生時代に登場した「週刊朝日」のグラビア表紙がこちら

 今回、主演映画「ビューティフルドリーマー」(本広克行監督、押井守原案。11月6日公開)を引っさげ、編集部に凱旋した次第だ。

 大学の映画研究会が、いわくつきの台本を映像化する青春物語。学生時代から映画を撮ってきた彼女にうってつけの役だ。

「本広さんは私が学生時代に監督した映画も観てくださっていて、その方に役をいただけたのは、すごく嬉しかったです」

 今作は「監督絶対主義」を掲げるシネマラボというレーベルの作品。製作予算内であれば、企画立案、キャスティング、演出などすべてを監督の権限で行う。監督が作りたいものを純粋に作れる仕組みだ。

 そんななかでの本広監督の様子はどうだったのか。

「みんなでアイディアを出し合って撮影を進めました。即興芝居も多く、自分の経験とかも節々に出ていますね。本広さんは、役者の芝居に細かく演出をするというよりも、それ以前の基盤作りに熱心な方という感じがしました。誰と誰を掛け合わせるとか、おいしいお弁当を用意するとか。そのあたりから演出が始まっている。そういった心構えは、これから自分が撮るときにも必要だと思いました。ご飯は豪華すぎてびっくりでした。叙々苑の焼き肉や今半のすき焼きが、毎日のように出たんですから(笑)」

 女優として、映像作家として、2足のわらじを履き続ける。

「どちらであっても文化の壁や時代を超えて残るもの、たとえば台湾映画の『ヤンヤン 夏の思い出』(エドワード・ヤン監督)のような、これが人生だなあと思えるような作品に、生涯に1本でもかかわれたらと思います」

 そのときにはまた編集部に凱旋を。

(本誌・菊地武顕)

※週刊朝日オンライン限定記事