また、大学日本代表の4番を務めた右打者の二塁手・牧秀悟、プロでもトップレベルの俊足を誇る左打者の外野手・五十幡亮汰(ともに中大)も2位以内で指名されるだろう。

 異色の経歴の持ち主は福岡大準硬式野球部に所属する右腕・大曲錬だ。西日本短大付高では控え投手だったが、福岡大準硬で横手投げから上手投げにフォームを改造すると覚醒。最速は高校時代の138キロから、154キロに跳ね上がった。準硬式の球は硬式球より球速が出ないとされていることから、大きなロマンを抱かせる。ドラフトの「隠し玉」として指名する球団が現れるか。

 高橋、早川、佐藤がドラフト1位で競合必至の中、社会人ナンバー1右腕の栗林良吏(トヨタ自動車)を「一本釣り」で狙う球団が現れる可能性は十分にある。140キロ台後半の直球と多彩な変化球で大崩れせず、先発ローテーションで1年目から即戦力として計算できる。

 社会人の野手では、広角に本塁打を打てる今川優馬(JFE東日本)が評価を上げている。右の長距離打者は希少なだけに、球場の狭い球団は獲得を検討する価値が十分にある。(木村寿)

週刊朝日  2020年10月30日号