野手は、左打者では俊足とパンチ力に定評のある来田涼斗(明石商高)、卓越したミート力が持ち味の小深田大地(大阪・履正社高)、右打者では三塁を守るスラッガーの井上朋也(埼玉・花咲徳栄高)、長距離打者の西川僚祐(神奈川・東海大相模高)、大型遊撃手の元謙太(岐阜・中京高)が上位候補だ。

「親子鷹(おやこだか)」でプロ入りを目指す打撃センス抜群の度会隆輝(横浜高)、強肩強打の捕手・関本勇輔(履正社高)も指名される可能性は十分にある。セ・リーグのベテランスカウトは、こう分析する。

「来田はスイングスピードがずば抜けているけど、身体能力を生かし切れていない。タイミングの取り方を修正すれば格段に良くなる。井上や西川も少し時間はかかるが、将来が楽しみ。育成次第で全く変わってくる」

 大学生は、投手では早川隆久(早大)と伊藤大海(苫小牧駒大)、打者では佐藤輝明(近大)が1位候補だ。

 左腕の早川は今ドラフトのナンバー1即戦力投手。155キロの直球、スライダーを軸に制球もいい。今年急成長し、4年秋の東京六大学リーグ戦・明大戦で17奪三振。先発のコマ不足に悩むチームは競合覚悟で獲得に乗り出すとみられる。

 右腕の伊藤は大学日本代表で守護神として活躍しているが、スタミナも十分で先発としての適性もある。最速156キロの直球にスライダー、ナックルカーブなど変化球も多彩で三振奪取能力が高い。パ・リーグのスカウトはこう語る。

「早川は高校生ナンバー1の高橋と1位指名で迷う球団が多いと思う。争奪戦になることは間違いない。伊藤は日本ハムが1位指名するのではとささやかれている」

 150キロを超える直球が武器の本格派右腕・入江大生(明大)、今年急成長した右腕・木澤尚文(慶大)も「外れ1位」の有力候補だ。

 左打者の近大・佐藤は豪快なフルスイングで日本人離れした飛距離が持ち味。足も速く、身体能力がずば抜けている。まだまだ粗削りなため、「1軍で常時出場するレベルに達するには、2、3年かかる」という声も聞かれるが、将来的にはソフトバンク・柳田悠岐のようにトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁以上)も狙える。巨人阪神が高く評価しており、1位指名で複数球団の競合は必至だ。

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