関節リウマチの変形 (山中医師提供)
関節リウマチの変形 (山中医師提供)
ヘバーデン結節と関節リウマチの違い (週刊朝日2020年9月11日号より)
ヘバーデン結節と関節リウマチの違い (週刊朝日2020年9月11日号より)

 指の関節痛や変形というと、まずリウマチを疑いがちだ。だが、症状が出る関節や部位によってさまざまなタイプがある。それらを見分ける方法はあるのか。

【まとめ】ヘバーデン結節と関節リウマチの違いはこちら

 指の関節に変形が起こる病気の代表格は、関節リウマチだろう。人口の0.5~1%がかかっているとされる病気で、40代以降の女性に多いことがわかっている。

 関節リウマチの変形は、指の第一関節に起こるヘバーデン結節や第二関節に起こるブシャール結節などとは異なり、全身の病気として起こってくる。というのも、関節リウマチは自己免疫疾患、いわゆる体内の免疫のしくみに問題が生じて、免疫細胞が関節の骨や軟骨などを敵とみなして攻撃してしまう病気だからだ。放置しておくとさまざまな関節がおかされて、最終的には寝たきりになってしまう。

 長年にわたって関節リウマチの治療に取り組む、山王メディカルセンター(東京都港区)院長の山中寿医師は、「今は昔と違い治療が格段に良くなり、関節の変形を食い止められるようになりました」と話す。

 ヘバーデン結節などによる変形と、関節リウマチによる変形は、見分けがつくのだろうか。山中医師は、次のように説明する。

「見分けられます。まず、関節リウマチは指の第一関節には起こりません。つまり、第一関節に症状があったら、ヘバーデン結節の可能性が高くなります。もう一つは、腫れ具合です。腫れている第二関節を触ったときに、硬いようならブシャール結節、柔らかくてゴムのようなら関節リウマチの可能性が高いでしょう」

 さて、関節リウマチというと、関節の変形が進んで、最終的には人工関節を入れたり、車いすになったりするというイメージがある人も多い。

 だが今は違う。2000年以降、血液検査と関節超音波検査で、早期に診断できる方法が登場し、かつ有効な薬ができたことで、関節リウマチの予後は大きく変わった。関節破壊が抑えられるようになったことで、関節の変形に悩むことなく、今までどおりの暮らしを続けられる人たちが増えた。

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