岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office

 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、京都市西京区の「業平の箱入り娘猫(にゃん)」です。

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「業平桜」で名高い十輪寺。在原業平が隠棲(いんせい)した寺とされ、恋多き業平がかつての恋人を想い、塩を焼き煙を漂わせたという塩竈(しおがま)がある。その塩竈からこちらの様子をうかがうのは、寺で暮らす10歳の序音(じょね、メス)。

 警戒心が強くなかなか人前に出てこない序音だが、彼女目当ての参拝客もいるそうで、寺には序音を模した猫御朱印がある。皆に愛され守られて、箱入り娘のような序音。僕にもシャイだったけれど、サビネコと紅葉がとても似合うことを、教えてくれたのは彼女だった。

デジタル岩合
http://www.digitaliwago.com/

週刊朝日  2020年8月14日-21日合併号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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