イタリアの医師らからも、新型コロナの後遺症に関して報告された。体調が回復して退院した143人のうち87%が、疲れや呼吸困難といった症状を抱えている、というのだ。

 回復してもだるさや胸の痛み、味覚・嗅覚障害などの後遺症が懸念され始めているが、前出の専門医は「国内で3万人近い新型コロナの感染者がいて、後遺症についてはあまり聞こえてきません」。

 日本呼吸器学会は7月、呼吸器を中心とした後遺障害に関する調査を始めると発表した。新型コロナの呼吸器の後遺障害については、イタリアやフランス、中国からも対象患者の約半数で異常があると報告されている。「頭痛や発熱、嗅覚障害、睡眠障害など、さまざまな症状が残っている患者さんもいるようだ」(日本呼吸器学会)という。実態はまだまだ謎に包まれている。(本誌・浅井秀樹)

週刊朝日  2020年8月7日号