ドラマの展開もよく引き込まれ、何度見ても飽きません>(40代・女性)

 ラブコメ作品で人気の脚本家・ホン姉妹が、「もし超人気イケメングループに女の子がいたらどうなるだろう」という発想から脚本を手がけたドラマで、大人気のイケメンバンドに加入した女の子の視点から、魅惑の日々を描く。

「『美男<イケメン>ですね』や10位の『私の名前はキム・サムスン』は、地上波での放送をきっかけにハマった主婦が多いのでしょう」(安部さん)

 5位は、韓国で最高視聴率45%を記録した大ヒットドラマ「天国の階段」(03~04年)。甘く切ないラブストーリーを描き、同作で“涙の貴公子”との呼び名を得て、爆発的な人気を博したクォン・サンウと冬ソナのチェ・ジウが主演を務めた作品だ。「韓流ぴあ」の露木恵美子編集長が解説する。

「『愛の不時着』で『天国の階段』にハマっている若い北朝鮮の兵士が登場します。その兵士が韓国に来て、憧れのチェ・ジウと会う場面が描かれています。兵士は赤い帽子を被って登場しますが、それは『天国の階段』で、クォン・サンウが被っていた帽子なのです。『天国の階段』のファンにはツボなシーンです」

 6位は好きな俳優1位に選出されたパク・ソジュン主演の「梨泰院クラス」。

 父親を殺した財閥一族にリベンジする物語は男女ともに支持された。

<(主人公の)パク・セロイの人柄、仲間、事業の成功、復讐など1話から面白い>(50代・男性)

 続いて「初めてハマった韓流ドラマ」の順位を見てみよう。1位から10位までを見ると、現在の「愛の不時着」人気に至るまでの変遷がうかがえる。日本での第1次ブームは、圧倒的な首位に君臨する「冬のソナタ」。その後、王道のメロドラマ路線のまま「美しき日々」(8位)のイ・ビョンホンブーム、さらに「天国の階段」(3位)へと人気が広がる。その後、「宮廷女官チャングムの誓い」(9位)で時代劇人気が高まり、男性ファンも参入。09年から10年、「美男<イケメン>ですね」(2位)で、第2次ブームが到来。そして「愛の不時着」(6位)に代表される第3次ブームが起こる。

「韓国ドラマは1話が1時間以上×約20話続くなど、ストーリーが長い。だからのっけから視聴者を惹きつける要素が必要で、最近はラブ×ファンタジー×サスペンスなど、ジャンルミックスの傾向も強く、クオリティーもかなり上がっています」(安部さん)

(本誌・松岡かすみ、岩下明日香)

週刊朝日  2020年7月31日号

著者プロフィールを見る
松岡かすみ

松岡かすみ

松岡かすみ(まつおか・かすみ) 1986年、高知県生まれ。同志社大学文学部卒業。PR会社、宣伝会議を経て、2015年より「週刊朝日」編集部記者。2021年からフリーランス記者として、雑誌や書籍、ウェブメディアなどの分野で活動。

松岡かすみの記事一覧はこちら