2位を獲得したのは、「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」(16~17年)。900年以上も前の人間が現代までずっと生き続けているという異色の設定のファンタジードラマだ。不滅の命を与えられ“トッケビ(鬼)”になってしまった高麗時代の英雄が、900年以上の時を経て、現代に生きる女性と出会ったことで始まるラブストーリーを描く。同作は“韓国のゴールデングローブ賞”と呼ばれる百想芸術大賞で大賞を受賞したほか、主演を務めた人気俳優コン・ユが男性最優秀演技賞を獲得するなど、韓国でも大きな話題を集めた。脚本は、ヒョンビンが主演を務めた人気ドラマ「シークレット・ガーデン」(10~11年)や、「太陽の末裔」(16年)などでも知られる大ヒットメーカー、キム・ウンスク。手がける作品ごとにヒットを連発するラブコメの名手だ。アンケートでは、<あんな素敵な人に甘えられたいし、嫉妬されたいし、守られたい>(40代・女性)、<7度観ても心が揺さぶられる>(60代・女性)など熱烈な声が寄せられた。

「キュンキュンするストーリーの展開に、毎回唸らされる脚本家。最初はありえない設定だと思って観るのですが、ファンタジーの要素とリアルの要素が絶妙に組み合わさっていて、ぐっと引き込まれてしまう」(高橋チーフ)

 1位、2位ともに共通するのは、現実にはありえないような設定のファンタジードラマであること。韓国ドラマに詳しいライターの酒井美絵子さんは言う。

「つまり日本のドラマにはない“設定萌え”を求めている証拠。緻密に設計されたファンタジー設定は、韓流ドラマの大きな強みで、ファンタジー作品をきっかけに韓流ドラマにのめり込む人も多い」

 3位は今の韓流ブームの代名詞とも言えるドラマ「愛の不時着」。

 続く4位にランクインしたのは、今週の表紙を飾る“グンちゃん”ことチャン・グンソクの代表作「美男<イケメン>ですね」(09年)だ。グンちゃんは本誌の好きな俳優投票でも2位を獲得するなど日本で高い人気を誇る。「美男~」の日本でのリメイク版が11年に放送され、大きな話題を集めた。

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