また、私たちがこの検査を受けることができるわけでもない。久住医師は「現段階では研究用試薬なので、導入した医師が必要だと判断したときに、医師の裁量で使うことができますが、広く普及しているものではありません」という。

 実用化に向けては、無症候性感染者かどうかを調べる手段に期待が集まるが、感染研の評価で用いた検体は症状が出ている患者のものであるため、冒頭の無症候性感染者だった人が検査を受けた場合、どのような結果になるかは未知数とのことだ。

 それを踏まえても、久住医師はこの検査に期待を寄せる。

「抗体を持っている人を私は“ニュータイプ”と呼んでいますが、そういう人たちはむしろ積極的に経済活動を行い、社会を支えてくれることが望ましいと思っています」

 厚生労働省は17日、新型コロナの感染拡大の状況を把握する疫学調査を目的に、数千人に対して抗体検査を行うことを発表した。4月中の開始を目指す。(本誌・山内リカ)

※週刊朝日オンライン限定記事