中井:実は撮影に入る前に、安土桃山時代の本物の織部を持っていらっしゃる方がそれを持たせてくださったんです。僕のような焼き物がわからない人間でも全然違いました。歪みがあるんですが、きっちりと手に収まる。やっぱり茶器なんですよ。歪みもその用途として成立しているかどうかが、歪みの良さであると織部は言っています。

佐々木:やはり基本があるからそれができるんですね。

中井:その織部で「お茶飲む?」って普通に聞いてくださいましたが、遠慮しました。値段をつけたら何千万円ですから(笑)。

――喜劇好きも骨董好きも肩ひじ張らずに楽しめるコンパクトにまとまった本作。今回のヒット次第で、第3弾もありそうだが。

中井:コンパクトが良い映画とそうでないものがありますが、これはコンパクトであればあるほど、地域的に限られていれば限られているほど、拘束されれば拘束されるほど面白くなるのかもしれません。ヒーローが地球を救うといった話では全然ありませんからね(笑)。でも、第3弾はどうかなぁ。焼き物の歴史がこの映画を作っているところもあるからね。

佐々木:そうですね、焼き物が主役ですもんね。どうかなぁ(笑)。

中井:出るかもしれませんね……(笑)。

広末:私は絶対見に行きます!

(構成/ライター・坂口さゆり)

週刊朝日  2020年2月7日号より抜粋