受験生の多くは20歳前です。この年齢のときは何も失うものはありませんよ。若さも体力もあるのですから。経験を積んだ大人はみんないいます。「やらないで後悔するよりやって後悔したほうがいい」とね。

 予備校の判定をみて、2段階選抜で2次試験を受験できないことがほぼ確実な場合、志望変更はするべきでしょう。でも、難易度が少し低い大学に出願したからといって、気をぬくのは厳禁です。安全志向で出願した途端にテンションが下がり、「志望校を下げたのに不合格になった」というのは、よく耳にします。

 どの大学でも、そこが第1志望で絶対に合格して進学したいと思っている受験生は必ずいます。そのような受験生は過去問を解いてしっかり準備しているので、甘い気持ちで受けに行っても勝ち目はありません。

 わが家の場合、東大理IIIを目指していた次男が、秋の判定がよくなかったため、「理Iに変更しようかな」と、少し弱気になったことがありますが、私は、「そんな変更は意味がない」と理IIIから志望は変えさせませんでした。

 結局、次男は東大入試まで1日15時間以上の準備をして、現役で東大理IIIに合格することができました。

 この時期はある程度のチャレンジ精神はモチベーションを上げますので、できるだけ第1志望に合格できるような受験日程を組み、親御さんは励ましてあげてください。今から次々と私学入試が行われ、国公立の2次試験も1カ月後にあります。過去問をひたすら解き、自信を持って受験に堂々と立ち向かってください。

(構成/庄村敦子)

週刊朝日  2020年1月31日号