佐藤亮子(さとう・りょうこ)/奈良県在住。専業主婦。長男、次男、三男、長女の3男1女の母。4人の子ども全員が東京大学理科III類(通称「東大理III」)に合格し、その子育て法と受験テクニックに注目が集まる。著書に『佐藤ママの子育てバイブル 三男一女東大理III合格! 学びの黄金ルール42』(朝日新聞出版)など (撮影/写真部・小山幸佑)
佐藤亮子(さとう・りょうこ)/奈良県在住。専業主婦。長男、次男、三男、長女の3男1女の母。4人の子ども全員が東京大学理科III類(通称「東大理III」)に合格し、その子育て法と受験テクニックに注目が集まる。著書に『佐藤ママの子育てバイブル 三男一女東大理III合格! 学びの黄金ルール42』(朝日新聞出版)など (撮影/写真部・小山幸佑)

 4人の子ども全員が東大理IIIに合格した佐藤ママこと佐藤亮子さんによる、受験生とその親を応援する短期集中連載。第4回は「『大番くるわせ』と『奇跡』の違い」と題してお送りする。

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 国公立大学志望の受験生のみなさん、私立大学志望で「センター利用入試」を受験するみなさん、センター試験の受験お疲れさまでした。今は、もう志望大学の過去問を始めていると思います。

 近年は、浪人を敬遠する「安全志向」が強いようです。しかも、今年はセンター試験が最後で、浪人すると大学入学共通テストで受験することになります。そのため、例年以上に受験生の安全志向が強くなるといわれています。第1志望の大学に出願すべきかどうか迷っている受験生も多いのではないでしょうか。

 大学受験に関する考え方はさまざまです。「堅実に」「挑戦して」「無謀な」「安全に」などなど、人生の方向を決めるような事態には、相反する言葉が頭の中をぐるぐる回るもの。どの言葉に飛びつくか、どの言葉を敬遠するかはあなた次第でしょう。後悔のない人生などはありません。「後悔もまた良し」と考えるのか、「ご縁のある場所で早く前に進みたい」と思うのか。どちらが正解ということはありません。

 しかし、目の前に厳然と存在するセンターの点数の扱いは真剣に考えることが大切です。その点数を自ら背負い、次の受験に臨まなければならないからです。どのような覚悟で歩く方向を決めたかは、受験後、自ら説明できるようにしておくこと。「なぜ」と聞かれたときに「なんとなく」としか答えられない場合、大学受験をいい人生経験にしたとはいえません。

 毎年、「大番くるわせ」と思われる合格も確かにあります。でも、それはそれなりの実力が本番直前についている場合です。受験には「奇跡」は起こりません。合格には、センターの点数を引いて、2次であと何点取ったら合格できるのか、その点数はどの科目で何点取ればいいのかを、具体的に計算してみてください。その点数を模試などで一度でも取った経験があるのでしたら、不安は振り切って憧れの大学を目指して必死に走りきることです。

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