米イラン衝突回避も「第三次世界大戦」リスクが消えないワケ (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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米イラン衝突回避も「第三次世界大戦」リスクが消えないワケ

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亀井洋志,小島清利,吉崎洋夫週刊朝日
イスラム教シーア派組織ヒズボラの追悼集会で飾られたイランのイスラム革命防衛隊・ソレイマニ司令官の写真 (c)朝日新聞社

イスラム教シーア派組織ヒズボラの追悼集会で飾られたイランのイスラム革命防衛隊・ソレイマニ司令官の写真 (c)朝日新聞社

日イラン首脳会談でロハニ大統領(左)を出迎える安倍晋三首相

日イラン首脳会談でロハニ大統領(左)を出迎える安倍晋三首相

 元駐レバノン大使で外交評論家の天木直人氏がこう指摘する。

「米国はハメネイ師を標的にしたのも同然で、イランの反米感情に火をつけてしまった。トランプ大統領は『テロリズムの首謀者を抹殺する完璧な作戦』と自画自賛したかと思えば、『われわれは戦争を望まない』とも言っています。イランが予想外に激しく反発していることに、動揺しているのでしょう」

 イラン革命防衛隊幹部は中東地域にある米国関連35施設や、米国の同盟国イスラエルの都市テルアビブなどを攻撃目標にすると示唆。大規模な軍事衝突に発展しかねない情勢となっている。革命防衛隊は最高指導者直属の組織で約12万5千の兵力を有し、イラン正規軍をしのぐ軍事力を持つ。各種ミサイルを保有、射程約2千キロの弾道ミサイル「ホラムシャハル」は中東全域を射程圏内に収める。

 このほかイランが資金や武器を提供するイラク、レバノン、シリアなどの親イランのシーア派武装組織が、米国と、同盟国のイスラエルやサウジアラビアを脅かしてきた。中でも、レバノンの民兵組織ヒズボラは1983年に首都ベイルートの米海兵隊宿舎に自爆テロを仕掛け、米兵241人を殺害した“実績”がある。今後、これら武装勢力がゲリラ戦や破壊活動などを展開する可能性もある。

 現在、イラクに駐留する米軍はおよそ5千人。中東全体で5万~6万人の部隊が展開しているが、さらに3500人を増派する。イランの報復攻撃を受けて、米国防総省は「米国の人員や同盟国を守るために必要な措置を取る」と表明した。

 前田氏が警告する。

「イラクには米軍ばかりではなく、英、独、仏なども駐留部隊を出しています。ミサイル防衛システムを導入しているイスラエルは、攻撃を受ければ必ず反撃します。米国が強硬な対応をして中東が戦闘状態に突入すれば、世界全体が巻き込まれるという最悪のシナリオもあり得るのです」

 第5次中東戦争どころか、第3次世界大戦へと拡大する可能性もあるわけだ。一方で、米国とイランともに抑制が働いているとの見方もある。国連安保理でイラン制裁専門家パネルメンバーを務めた、北海道大学公共政策大学院の鈴木一人教授(国際政治経済学)が解説する。


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