元会長が「桜を見る会」に招待されたのは15年のことで、その後の被害拡大につながったとされる。元会長の招待状にあった受付票番号は「60」だが、60~63は「総理、長官等推薦者」の区分とされている。安倍首相が「悪徳商法」のドンを公費で招いたのが事実ならば、深刻さはいっそう増してくる。

「安倍総理は国会で追及されても何の反省の弁も述べようとしない。被害者の方々はそのことにものすごい怒りを感じています。安倍総理は来年の『桜を見る会』を中止して『私の責任で検証します』と言いましたが、それは違う。私たちの検証を妨げているのが安倍総理じゃないですか」

 野党の追及本部での官僚答弁にも驚かされてばかりだ。文書の提出や聞き取り調査を求めても「持ち帰らせて下さい」を連発。結局、名簿、文書の類は一切提出されない。

「データは復元不可能だとか、バックアップは公文書ではないとか説明が破綻(はたん)しています。総理に都合の悪いことは公文書であっても廃棄される。総理に都合の悪いデータは公文書と認めない。総理に都合の悪いことは聞き取りもしない。もはや説明不能状態です。行政が壊れていく様を私たちは目の当たりにしています」

 危機感を募らせる田村氏の20年の抱負は何か。

「何より公正な政治を取り戻すこと。ドロドロした闇を晴らして、満開の桜が見たいなぁと思います」

 1月20日召集が見込まれる国会でも、攻勢を強めていく構えだ。

(本誌・亀井洋志)

週刊朝日  2020年1月3‐10日新春合併号に加筆