田村智子氏
田村智子氏
2020年の顔 1/2 (週刊朝日2020年1月3-10日合併号より)
2020年の顔 1/2 (週刊朝日2020年1月3-10日合併号より)
2020年の顔 2/2 (週刊朝日2020年1月3-10日合併号より)
2020年の顔 2/2 (週刊朝日2020年1月3-10日合併号より)

「安倍内閣のモラルハザードが問われていますが、私は総理自身の問題を質問します」

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 11月8日の参院予算委員会で、そう口火を切ったのが「桜を見る会」疑惑の始まりだった。火付け役の田村智子氏がきっかけを語る。

「なぜ『桜を見る会』の支出や参加者が増え続けているのか調べてみたら、いつの間にか『安倍晋三後援会祭り』になっていました。まさに政治と税金の私物化そのものだということで、国会で取り上げたのです」

 安倍政権では森友・加計学園問題、自衛隊日報隠し、毎月勤労統計不正など多くの問題が噴出したが、「桜を見る会」への市民の反応は、これまでとは明らかに違うと感じている。

「招待された人たちは、自ら積極的にネットを通じて情報を発信していました。それを官邸が抑えることはできません。森友・加計問題などでは、私たち議員が、行政側にどうやって資料を出させるかに苦闘してきました。だけど、今度はみんなが捜索活動と追及活動ができます(笑)。ですから『こんなの見つけました』『こう攻めたらどうですか?』という提案型のメールが増えています」

 「桜を見る会」の招待者には総理「枠」ばかりか、閣議決定で私人とされた昭恵夫人の「枠」まであったことが明らかになった。会を私物化したばかりではなく、ホテルニューオータニで安倍晋三後援会が主催した「桜を見る会」前夜祭では、赤字分を補てんした可能性があり、公職選挙法違反の疑いも指摘されている。さらには半グレ組織など反社会的勢力が参加。マルチ商法で多数の被害者を出した「ジャパンライフ」の元会長に招待状が送られ、顧客の勧誘に利用されていた実態まで発覚した。

「ジャパンライフのセミナー会場で、スタッフが招待状をスライドで映し『安倍総理から招待を受けました』と宣伝材料に使うのです。すると、他のスタッフたちが『すごい!』と言いながら拍手して会場を盛り上げる。セミナーに参加した高齢の被害者の方に話を聞くと『田舎の年寄りはそんなことをされたらコロッとだまされる。次から次へと政治家との関係を見せられて、すっかり信じ込んでしまった』と語っていました。蓄えのほとんどをはたいて、磁気ネックレスや医療代替機器などを買わされてしまったのです」

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