だが、小学校跡地の所有者は吹田市。入札になるとみられていた。


大橋容疑者は学校法人として80億円の融資を金融機関に申し込んんでいた。

 その金融機関の<大阪府への相談や、コンサルタントの利用などの外部の計画検証は実施されておられますか>という質問に対して、こんな回答の文書を作成している。

<大阪府私学課へ吹田市池田副市長と相談に行っております>

<コンサルタント 土地の件 仲介会社、議員関連 ○○○○大臣>

 2017年当時、現役だった大臣の名前があるのだ。いかにも、明浄学院に協力を確約しているように書かれている。そこで、名前が書かれていた議員事務所に聞くとこう回答した。

「明浄学院は見たこともないし、知らない」

「大橋容疑者は、いつもバックにこの大臣がいて、口利きしてもらえるので、吹田市への移転は間違いないと豪語していました。21億円も預け金として処理して文部科学省にまで届け出ている。しかし、逮捕されて容疑を認めていることでもわかるように、全部、ウソやったんですね」(前出の学校関係者)

 逮捕された大橋容疑者は、21億円の横領を認めている。大橋容疑者は、学校法人取得のため、18億円を借りていた。用立てたのは、不動産会社経営の山下隆志容疑者、プレサンスコーポレーションの部長だった小林佳樹容疑者だ。

「山下容疑者に18億円も用意できる資金力はない。明浄学院の校地をマンション用地として手に入れたい、プレサンスコーポレーションが山下容疑者経由で貸し付けたとみている。手付金の21億円も同様です」(捜査関係者)

 全容解明が待たれる。(今西憲之)

※週刊朝日オンライン限定記事

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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