南果歩(みなみ・かほ)/1964年、兵庫県生まれ。84年に映画「伽耶子のために」のヒロインにオーディションで抜てきされデビュー。翌年、TBS「五度半さん」でドラマ初出演。90年、映画「螢」「夢見通りの人々」でブルーリボン賞助演女優賞を受賞。2015年に「マスタレス」でハリウッド進出。16年、乳がんの診断により、手術を受けた。辻仁成、渡辺謙と2度の結婚歴を持つ。二人舞台「あの出来事」が11月13~26日、東京・新国立劇場 小劇場で上演予定。 (撮影/岡田晃奈)
南果歩(みなみ・かほ)/1964年、兵庫県生まれ。84年に映画「伽耶子のために」のヒロインにオーディションで抜てきされデビュー。翌年、TBS「五度半さん」でドラマ初出演。90年、映画「螢」「夢見通りの人々」でブルーリボン賞助演女優賞を受賞。2015年に「マスタレス」でハリウッド進出。16年、乳がんの診断により、手術を受けた。辻仁成、渡辺謙と2度の結婚歴を持つ。二人舞台「あの出来事」が11月13~26日、東京・新国立劇場 小劇場で上演予定。 (撮影/岡田晃奈)
南果歩さん(左)と林真理子さん (撮影/岡田晃奈)
南果歩さん(左)と林真理子さん (撮影/岡田晃奈)

 乳がんの手術、そして離婚を乗り越え、笑顔を取り戻した南果歩さん。舞台にドラマにと、仕事に熱中する一方で、休みが取れたら英語を習いに海外へひとっとび。病を経験したからこそ、貪欲な姿勢で、生きることを謳歌しています。作家の林真理子さんがそんな彼女の今を深堀りします。

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林:お仕事も順調ですね。英語も熱心に勉強されてるんですって? ふつう有名人って、高いレッスン料で英語を習うのに、果歩さんはアメリカに行って移民用の英語スクールに通ってたんでしょう?

南:アダルトスクールに行ってました。アダルトスクールって、なんかいかがわしい感じがするんだけど、公共の英語学校で、タダなんです。

林:そういうところに行って、南米の人とか中国の人と一緒に英語を習って、まったく物怖じすることなく友達になっちゃうんですよね。ふつう有名人はそんなことしませんよ。

南:そうなのかな。今年もサンフランシスコに1週間、ロスに1週間行ってきました。サンフランシスコではふつうの語学学校に朝9時から14時半まで行って、宿題やって、そのあと家庭教師の先生に1時間習って、1週間英語漬けでした。そこでも友達ができて、楽しかったですよ。ロスでは、英語のアクティングクラスを受けてきたんです。

林:昔、マリリン・モンローとかすごいスターが、自分をレベルアップするために行った学校ですね。

南:そうなんです。4日間、集中講座でやったんですけど、すごくおもしろかった。事前にテキストとして送られてきたのが、映画「クレイマー、クレイマー」で、夫婦役のダスティン・ホフマンとメリル・ストリープがカフェテラスで話すシーンだったんです。

林:ええ。

南:メリル・ストリープが演じたのはジョアンナという役なんだけど、「私の今までの人生は、誰かの娘、誰かの妻、誰かの母であって、私自身として生きてこなかったような気がする」というジョアンナのセリフがあるんです。

林:ありましたね。

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