ロイテリ菌は、唾液(だえき)によって活性化する。歯周病菌などの悪玉菌の成長を阻害するロイテリンという物質を作りだし、口内フローラを整えてくれる。

 これらの乳酸菌を使ったヨーグルトやサプリメントも、すでに製品化されている。ロイテリ菌入りのヨーグルトやサプリメントを作っている「オハヨー乳業」のマーケティング戦略本部の担当者はこう話す。

「ロイテリ菌は、1980年代にアンデス山中のペルー人女性の母乳から発見された、ヒト由来の乳酸菌です。不思議なことに、悪玉菌だけに反応し、常在菌には影響を与えない。10万年以上前から人間の体に共存している菌なので、そうした働きをしてくれるのかもしれません」

 いいこと尽くしのバクテリアセラピーだが、そもそもの口腔内が汚れていては、善玉菌も増えない。

 日々の歯磨きや歯科医院でのクリーニングをしっかりと忘れずに。

(本誌・永井貴子)

※週刊朝日オンライン限定記事