44年ぶり五輪出場の日本バスケ Bリーグ開幕戦で見えた課題 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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44年ぶり五輪出場の日本バスケ Bリーグ開幕戦で見えた課題

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泰正理週刊朝日
開幕戦でしのぎを削った川崎の篠山竜青(右)と宇都宮の比江島慎 (撮影/写真部・大野洋介)

開幕戦でしのぎを削った川崎の篠山竜青(右)と宇都宮の比江島慎 (撮影/写真部・大野洋介)

「人生で一番大事な一年になる」

 宇都宮のエースで日本代表の比江島慎は、悔しさをにじませながら語った。10月3日に開幕した4季目のBリーグで、所属する宇都宮は川崎に敗れた。

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 東京五輪を控える今季は、日本バスケの「未来を占う」シーズンである。

 44年ぶりに五輪出場を決めた男子の日本代表。米国のNBAへはばたく選手が一人ならず現れるなど、バスケ界への注目度はがぜん高まっている。

 そんななか、8月から9月にかけて開かれたW杯で、日本代表は5戦全敗を喫した。世界の壁の厚さを見せつけられた格好だが、このBリーグ開幕戦も日本バスケの課題を映しだした。

「ノーマークで(シュートを)打ててもポロポロ落としてしまった」

 5得点に終わった比江島は、敗因の一つ、としてそう語った。世界の強豪チームは、ノーマークであれば、まず確実にシュートを決めてくる。宇都宮の安齋竜三ヘッドコーチ(HC)はこう振り返った。

「メンタルが崩れると(ノーマークを作る動きの)スペーシングも乱れ、シュートも落ちる、という悪循環に陥る」

 対照的に、開幕戦で頼もしいプレーを見せたのは、川崎と日本代表で主将を務める篠山竜青だ。次々とシュートを沈め、19得点。2点シュートは9本中6本、3点シュートは2本中2本と高い確率だった。

「世界に踏み出し、W杯でたくさんいいものを学べた。一つひとつのプレーで高いインテンシティー(強度、激しさ)を強調できれば、日本バスケ界の底上げにつながる」と篠山は手応えを語った。

 NBAでプレー経験があり、昨年、日本国籍を取得して代表入りした川崎のニック・ファジーカスは「Bリーグは世界のレベルに追いついていない」と冷静に分析する。

 八村塁、渡辺雄太ら米国で活躍する選手にスポットライトがあたりがちだが、代表のほとんどはBリーグの選手。「激しい試合を繰り返すことで日本は強くなる」と川崎の佐藤賢次HCは期待を込める。

 記者が開幕戦を通して物足りなく感じたのは、やはり1対1を仕掛ける勝負への執着心だ。課題の克服には“激しさ”を持続させるメンタル面の強化が欠かせない。五輪前最後のシーズン、各選手がどこまで地力の底上げを図れるか、真価が問われる。(本誌・秦正理)

週刊朝日  2019年10月18日号


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