「起きているときに次の食事まで10時間空けることは、ほぼありません。空腹時という特殊な状況の値から判断することが本当にいいのか、疑問です」(高橋さん)

 実際、空腹時血糖値で異常を指摘されるのは、健診受診者のごく一部。合格点で安心したいところだが、「異常なし」と判定された人の4割以上、60歳以上に限ると、なんと2人に1人は食後高血糖だということがわかっている。

 血糖値ではもう一つ、尿に含まれる糖(尿糖)を調べることができる検査キットもある。新ウリエースGa(テルモ)だ。一般的に血糖値が160~180を超えると尿糖が検出されるという性質を用いたものだ。

 使い方は簡単で、リトマス試験紙のような紙の先に尿をかけ、30秒待つだけ。変化した色から尿中糖濃度が確認できる。リブレのように食事ごとのリアルな血糖値まではわからないが、食前と、食後2時間で測定することで、食後高血糖になる食事かどうかを知ることはできる。

「こうしたキットを使って自分の血糖値の傾向がわかれば、例えば『カレーは夜ではなく、朝や昼に』とか、『寝る前に炭水化物は摂らない』というように、自分の体質に合わせて効率よく血糖値をコントロールできます」(同)

■血圧

 わが国で高血圧と診断されている人は4300万人、予備軍は2千万人といわれている。家庭での血圧測定が脳卒中の予防などにつながることがわかって以来、医師の勧めもあり家庭血圧計が一気に普及した。

 血圧計のタイプは大きく分けて二つ。一つは二の腕に装着する「上腕式血圧計」(巻き付け式とアームインがある)、もう一つは手首に巻く「手首式血圧計」だ。両方を使っている藤山さんが考える両者の長所、短所は下記のとおり。

「基本的に、血圧は手首式、上腕式にかかわらず心臓と同じ高さで測らなければなりません。上腕だと測定器を装着する位置がほぼズレないので正しく測れますが、手首式は自由に動かせる分、正しい位置で測るのが素人にはむずかしい。心臓より低い位置で測れば高めの値が出てしまうので注意が必要です」(藤山さん)

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