

家庭で使える健康測定器や検査キットはさまざまな種類やタイプが開発されており、健康寿命を延ばすために、普段の生活に取り入れる“セルフ人間ドック”を専門家は推奨している。特にチェックしておきたい内容について、自己測定のコツや活用法を紹介しよう。
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神奈川県在住の家電ライター藤山哲人さん(52)は、3年前に大動脈解離を患い、手術をした。それ以来、毎朝の血圧測定は欠かさない。
現在、愛用している家庭血圧計は、上腕で測るタイプと手首で測るタイプの2種類。自宅では上腕で測るタイプを使用し、旅行や取材などで宿泊するときにはコンパクトで携帯しやすい手首タイプを使っている。
「今の血圧計はとても便利。スマホと連動させておくと、測定結果がスマホでわかる。前日や1週間前と比べられるので、なぜ高くなったんだろうという振り返りに役立ちます」
家庭血圧計に代表される家庭用の健康測定器、体外診断薬やキット。今、“自宅でセルフ人間ドック”ができるほどに、さまざまな種類が登場し、また進化を遂げている。
セルフメディケーションに詳しい日本ヘルスケア協会理事で東海大学医学部教授の高橋英孝さんは、
「健康寿命を延ばしたいなら、施設で受ける健診や人間ドックに加えて、こうしたものを利用するのが理想的です」
と、セルフ人間ドックを強く勧めている。
年に1回受ける健診や人間ドックが「点」だとすれば、それを結ぶ「線」がセルフ人間ドック。普段の生活に取り入れることで、自分の健康状態を客観的に知ることができる。高血圧や糖尿病などの持病があり、毎日、家庭で体重や血圧、血糖値測定を行っている、医師で医療ジャーナリストの富家(ふけ)孝さん(72)は言う。
「加齢と共に病気になることは増えるため、自分で自分の健康を管理することが大事。自分の体調や健康に関心を持つことで、病気の早期発見にもつながり、医療費の負担軽減にもなります」
では、具体的にどのように活用すればいいのか。測定内容ごとにみていこう。