日本高血圧学会は高血圧患者に対して「上腕式」で測るよう求めている。高橋さんも、高齢者には「上腕式のアームインがいい」と話す。一方、血圧そのものを評価するのではなく、ウォーキングなどの運動前後に血圧がどれくらい変動したかをみるときは、手首式でもよいそうだ。

 家庭血圧計はオムロンヘルスケア、パナソニック、A&D、日本精密測器、シチズン・システムズなど、いくつかのメーカーが出している。こうした血圧計を60アイテム以上そろえているビックカメラで話を聞くと、「高齢者が買い求めることが多いが、最近では40代ぐらいの男性からの相談もある」という。

 現在、販売されている家庭血圧計のほとんどは、「オシロメトリック法」という測定法を採用しているので、性能はほぼ一緒。重視するのは使いやすさだ。

「最近の家庭血圧計は、機能が多すぎて使い切れないという声が、とくに高齢の方から聞かれます。スマホのアプリなどでデータ管理ができるものも増えていますが、『手帳に書くからいい』という方も少なくありません。全体的にはシンプルなタイプが人気です」(ビックカメラ新宿西口店・白石明希さん)

 購入する際は、売り場で実際に試したり、使い方を教わったりしてから買うのがベスト。使い勝手の良さを見ることもさることながら、「上腕式を買ったら、腕のサイズと合わなくてキツイ(ゆるい)というケースもある」(同)ためだ。

 測定にもコツがある。

 血圧は、起床後すぐにトイレを済ませて、1~2分イスに座って呼吸を整えてから測定する。2度測って平均を出すのが正しいやり方だが、なかには何回も測って、一番よい数値を記録する人もいるようで……。

「血圧は測るたびに変動する。学校の試験ではないので、一番いい値を目指すのではなく、毎日同じ条件で測って、日々の変動を見ることが大事。上がる要因が推測できれば、その要因を除去したときに血圧がどう変わったかを見てください」(高橋さん)

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