■血糖値
高橋さんが真っ先に挙げるのは、「食後血糖値」の測定だ。
いま専門家が、注意すべき状態として警鐘を鳴らすのが、食後に血糖値が高い状態が続く「食後高血糖」。正常なら食後1時間の血糖値は150ミリグラム/デシリットルくらいまでしか上がらないが、それ以上になるのが食後高血糖。糖尿病の初期にみられる状態で、この状態を放置しておくと糖尿病へと進行してしまう。
食後血糖値は、血糖自己測定器で測定できる。例えば、「FreeStyleリブレPro」(アボット ジャパン)。小さい針が付いたオセロのこまのような丸く平べったいセンサー(直径35ミリ、厚さ5ミリ)を二の腕に装着する。これで最長2週間連続しての測定が可能だ。ぬれても大丈夫で、装着したまま風呂にも入れる。
もともとインスリンなど血糖値を下げる注射薬を使っている患者などに健康保険が適用されていたが、血糖値が気になる一般の人向けのものも登場した。現在はNSDという会社がリブレを用いたサービスGlu Ketto(グルケット)を提供している。
リブレによる測定値が病院や健診施設での検査でわかる血糖値と違うのは、「○○を食べると、これくらい上がる」という、“リアルな血糖値の変化”が自分で確認できるところだ。高橋さんも装着して、自分の血糖値がどう変化するか、何度も調べているという。
「食後血糖値を見ると、カップ焼きそば1人前を食べただけでピークがかなり上がったのに、中華料理のコースにビールと紹興酒という組み合わせではそれほど上がりませんでした(笑)。また、食後3時間以内に寝たら、就寝中に血糖値は上がったままで、起きた直後でも普段の2倍の値を記録しました。改めて、寝る前に食べるのはよくないと思いました」
この食後血糖値に対して、健診などで行われる検査は、食後10時間以上空けた状態で採血して測る「空腹時血糖値」。100ミリグラム/デシリットル未満が正常型、100以上110未満が正常高値、110以上126未満が境界型、126以上だと糖尿病型となる。