今年の5月末、中国で少女が5日間の便秘による腹痛に苦しみ、病院に駆け込んだ。CTスキャンで確認すると、腹部に丸いつぶつぶの影が大量に映っていたのだ。影の正体はタピオカとされている。少女は日ごろからタピオカドリンクを飲んでいたようだ。

「タピオカはデンプンを多くふくむので、もともと消化はよくありませんが、時間がたてば消化されるはず」

 と、宇多川さんは指摘したうえで、

「それでも消化されなかったということは、防腐剤や膨張剤などの添加物が要因となっている恐れがあります。デンプンはカビがはえやすいため、大量生産の過程で添加物を過度に使用することも考えられますから」

 日本で流通しているタピオカは安全だと信じたい。でも、ブームにいっそう拍車がかかり、健康被害が出ないか、心配は残る。

 ちいさなお孫さんがいる読者はタピオカをねだられたら、こんなふうに言ったらどうだろう。

 あのつぶつぶはカエルの卵じゃ。おなかの中でおたまじゃくしにかえる……。(本誌・岩下明日香)

週刊朝日  2019年9月6日号