れいわの山本太郎氏 (c)朝日新聞社
れいわの山本太郎氏 (c)朝日新聞社
共産の吉良佳子氏 (c)朝日新聞社
共産の吉良佳子氏 (c)朝日新聞社

 参院選が公示され、21日の投開票に向けて“戦いの火ぶた”が切られた。女性候補(104人)の割合は28%と過去最高となったが、果たして勝ち残るのは誰か? 「れいわ新選組」を率いる山本太郎代表は台風の目となるのか? 激戦区をルポした。

【写真】情勢調査でもトップを走り注目の女性候補がこちら

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 東京選挙区は改選数6に対し、20人が立候補する大混戦となった。れいわの山本氏は3日、東京都内で会見し、自身は東京選挙区から出ず、比例区から立候補することを表明。

「目標議席は5」とぶち上げ、東京では同団体から沖縄県の創価学会員・野原善正氏を出馬させ、公明党にガチンコ対決を仕掛けた。街頭演説で山本氏は訴えた。

「どうして沖縄にお住まいの野原さんが東京から立候補するのか。それは公明党がちゃんと仕事をしてないからだろうって話なんですよ。公明党は平和の政党を名乗りながら、消費増税を後押しし、自衛隊を米軍の2軍とするような平和安全法制を押し上げた」

 街頭演説中の公明党の山口那津男代表(東京選挙区)に野原候補についてコメントを取ろうとしたが、7~8人のSPに守られ、すぐに車で去っていった。

 自民党からは6年前にトップ当選した丸川珠代氏と最下位当選の武見敬三氏の2人の現職が出馬。

 丸川氏の街頭演説へ行くと、本人は「東京オリンピック・パラリンピックのチケット、私は残念ながら、全部はずれました」と挨拶した。同じ壇上に弁士として上がったのは、参院本会議(6月24日)で安倍首相への問責決議案を出した野党に、「恥を知りなさい」と一喝した三原じゅん子参院議員。演説が始まると、たちまち「恥を知れ」ののぼりが立ち上がり、ブーイングが巻き起こった。それに対し、自民党支持者らが「うるせー」「日本人なのか」と言い返し、一触即発の雰囲気になり、警察官が駆けつける騒ぎとなった。

「自民党の丸川、共産党の吉良佳子は情勢調査でもトップを走り、その後を公明の山口代表、立憲民主党から出馬した元都議の塩村文夏、元朝日新聞記者の山岸一生、自民現職の武見が追う展開です。ここまでが当選圏内で、その後を日本維新の会から出馬した音喜多駿が追い上げています」(政治ジャーナリスト)

 その音喜多氏を直撃すると、こう戦況を分析した。

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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