同社としては、社会貢献活動で問題に区切りをつけ、芸能界復帰の道筋をつけたいとみられる。


 
 一方で、吉本興業の芸人については、「雨上がり決死隊」の宮迫博之や「ロンドンブーツ1号2号」の田村亮らの復帰の見通しはたっていない。レギュラー出演してきた番組では降板が相次ぎ、スポンサーに迷惑をかけたこともあって、テレビ局側もすぐに復帰を認めることは考えにくい。
 
 漫才コンビ「スリムクラブ」の真栄田賢と内間政成、「2700」の八十島宏行と常道裕史については、暴力団関係者がいるパーティーに参加し金銭を受け取っていたとして、無期限の謹慎処分になっている。この4人については、復帰にさらに時間がかかるとみられている。
 
 吉本興業は、コンプライアンスの徹底と反社会的勢力の排除に関する異例の「決意表明」を発表。問題の早期収拾を目指しているが、ほかにも闇営業に関わった芸人がいるのではないかとの見方もあり、信頼回復は簡単ではない。
 
 今回、ザブングルがボランティア活動を打ち出したことで、ほかの芸人についても同様の動きが広がる可能性もある。介護施設などにとって、お笑い芸人が無償で来てくれるのは、確かにありがたいことだろう。反省の姿勢を示す手法としては有効かもしれない。
 
 ただ、ほかに関わった芸人がいないかどうかなど、それぞれの芸能事務所の調査は十分だとは言いがたい。ボランティア活動で、闇営業への不信感そのものをぬぐい去るのは難しそうだ。
(本誌・多田敏男)
※週刊朝日オンライン限定記事