(週刊朝日2019年7月12日号より) 
(週刊朝日2019年7月12日号より) 
『最高の飲み方』監修医師が実践している飲み方はコレだ!(イラスト/坂本康子 週刊朝日2019年7月12日号より) 
『最高の飲み方』監修医師が実践している飲み方はコレだ!(イラスト/坂本康子 週刊朝日2019年7月12日号より) 

 近年、脂肪肝の患者が急増していることをご存じだろうか。肝機能の悪化だけでなく肝硬変など深刻な病気へとなりかねない脂肪肝。ライフジャーナリストの赤根千鶴子氏が対策を探った。

【たとえば2時間の会合なら…肝臓専門医が実践している飲み方はコレだ!】

「脂肪肝とは、まさしく肝臓の中に脂肪がたまった状態です。今や日本人の3人に1人は脂肪肝に罹患していると言われています」

 と教えてくれたのは、書籍『酒好き医師が教える最高の飲み方』の監修者であり、肝臓専門医の浅部伸一医師だ。

 肝臓は有害物質の解毒を行うと共に炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質等の栄養素の代謝を行っている。たとえばごはん等の糖質をとると、肝臓は糖質をグリコーゲンに変えて蓄える。肝臓にためられているグリコーゲンは必要に応じて、体のエネルギー源として利用されていくが、余分な糖質が多すぎると、その糖質は余分な脂質と共に中性脂肪に変えられる。そして中性脂肪がどんどんたまると“脂肪肝”になるのだ。

「脂肪肝は言うなれば“フォアグラ状態の肝臓”なのです。脂肪肝は、実は2種類あります。大量飲酒が原因の『アルコール性』と、肥満、脂質異常、糖尿病が関与する『非アルコール性』です」

 一般的に多いのは非アルコール性の患者だ。脂肪肝のままで病状が進行しないのが「単純性脂肪肝(NAFL)」、炎症を起こしたり、肝細胞が死滅・減少して線維組織が増殖していく“線維化”などの変化を生じるのが「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)」である。

「NASHはメタボリックシンドロームと密接に関わっていて、お酒を飲まない人でもなる可能性が。お酒好きでよく飲む人の場合は、やはりまずアルコール性脂肪肝を気にしたほうがいいですね」

 アルコールを飲むと、肝臓に運ばれたエタノールはアルコール脱水素酵素によってアセトアルデヒドになる。最終的には酢酸化合物になるのだが、これが脂肪酸になり中性脂肪のもとになる。また悪いことに、アルコールが肝臓で代謝されている間は、脂肪の燃焼は阻害されてしまう。

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