合併症で“失明”することも 近眼の加齢によるリスクとは? (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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合併症で“失明”することも 近眼の加齢によるリスクとは?

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中寺暁子週刊朝日#ヘルス
強度近視 データ (週刊朝日2019年7月12日号より)

強度近視 データ (週刊朝日2019年7月12日号より)

正視の人と強度近視の人の眼球の形 (週刊朝日2019年7月12日号より)

正視の人と強度近視の人の眼球の形 (週刊朝日2019年7月12日号より)

慶応義塾大学病院眼科・鳥居秀成医師(左)、杏林大学病院眼科主任教授・平形明人医師

慶応義塾大学病院眼科・鳥居秀成医師(左)、杏林大学病院眼科主任教授・平形明人医師

 近年、世界中で増加していて、今後も増えることが予想されている近視。さらに近視の程度が強い「強度近視」も増加している。強度近視の人は、40歳ごろからさまざまな合併症を生じやすく、失明の危険性もあるため注意が必要だ。

【イラスト】正視の人と強度近視の人の眼球の形はこちら

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 近くのものはよく見えるのに、遠くのものがぼやけて見える近視。眼球の形に特徴があり、正視の人に比べて眼球の前後の長さを指す「眼軸長」が長い。

 眼球はカメラのような構造をしていて、各部位が連係することでものが見える。眼球の表面にある「角膜」から入った光が、その奥にある「水晶体」でピントを合わせ、さらに奥の眼底(眼球を正面から見た場合の底の部分)にある網膜で像を結ぶ。ところが眼軸長が長いと、網膜よりも前方で像が結ばれてしまう。このため遠くのものにピントが合わず、近くのものは見えるが、遠くのものが見えにくくなってしまうのだ。

 近視の強さは屈折度数で判断する。用いるのはジオプトリー(D)という単位で、日本では一般的に、マイナス0.5D以上マイナス3.0D未満の近視を「弱度」、マイナス3.0D以上マイナス6.0D未満の近視を「中等度」、マイナス6.0D以上の近視を「強度」と分類している。また、眼軸長からも強度近視を定義することがある。

 慶応義塾大学病院眼科の鳥居秀成医師はこう話す。「成人の場合、眼軸長は平均23~24ミリ程度といわれ、26ミリ以上を強度近視とする報告が多いです。実際には、30ミリを超える方もいます。正確な屈折値を把握するには調節を麻痺させる点眼薬が必要になることがありますが、眼軸長測定の場合にはその点眼薬は不要です」

 強度近視でも、眼鏡やコンタクトレンズで調整できれば問題はない。問題なのは、弱度や中等度の人に比べて合併症を起こすリスクが高くなることだ。50代以降で増加する。広い範囲の「網脈絡膜萎縮(もうみゃくらくまくいしゅく)」や「後部ぶどう腫」(後述)があるような状態を「病的近視」といい、進行すると失明する危険性がある。日本では失明の原因として最も多いのは緑内障だが、強度近視は4番目に多い。


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