「撮影中は、のしかかるプレッシャーに、毎日吐きそうなくらいでした。本当に苦しかったです。『この壁さえ越えれば次はこれだけだから』と、カウントダウンしながら、何とか乗り越えられた。あの作品との出会いが、私の人生の転機になりました」
以降、ドラマ、映画、舞台と一気に活躍の幅を広げた。現在放送中の、帯ドラマ劇場「やすらぎの刻~道」では、シリーズ前作に続いて出演。昭和編のヒロインを演じている。
「前作の『やすらぎの郷』が終わった後、(脚本の)倉本(聰)さんにお手紙をいただいて、最後に、『売れている時ほど、勉強すること。それがすべてです』と書いてあった。『売れている時』という表現が自分に当てはまるかどうかはさておき、いろんな作品に出演できるからこそ、勉強がたくさんできるんだと思いました。お手紙のその部分を、額に入れて飾ってあります。家宝です」
一昨年は、豊洲にあるIHIステージアラウンド東京で上演された「髑髏城の七人 Season花」にも出演。85ステージを無事完走し、今年、2年ぶりに劇団☆新感線の舞台「けむりの軍団」に出演する。
「新感線は、高校生の時にオーディションを受けて落ちています(笑)。なので、一昨年、お話をいただけた時は、本当に嬉しかった。ただ、客席が回転するステージは本当にハードだったので、戻りたくはないかな(笑)。今回の舞台も、私なりに暴れられたらと思っています」
(取材・文/菊地陽子)
週刊朝日 2019年7月5日号