進化する「前立腺がん」の放射線治療 合併症リスク軽減で効果増! (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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進化する「前立腺がん」の放射線治療 合併症リスク軽減で効果増!

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別所文週刊朝日#病気
東京医療センター 泌尿器科医長 斉藤史郎医師(左)/虎の門病院 放射線治療科部長 小塚拓洋医師(右)

東京医療センター 泌尿器科医長 斉藤史郎医師(左)/虎の門病院 放射線治療科部長 小塚拓洋医師(右)

LDRのイメージ図 (週刊朝日2019年4月19日号より)

LDRのイメージ図 (週刊朝日2019年4月19日号より)

前立腺がん データ (週刊朝日2019年4月19日号より)

前立腺がん データ (週刊朝日2019年4月19日号より)

 通常の外部照射は、おもにX線を用いる。3D-CRT(三次元原体照射)では、前立腺に最も線量が集中するよう多方向から照射するが、周囲の臓器、とくに直腸を完全に避けることは困難だ。そのため、直腸へのダメージを考慮して、70グレイという線量が上限となっている。

 外部照射で主流になってきているのが、3D-CRTをさらに進化させた、IMRT(強度変調放射線治療)という照射法だ。IMRTは放射線を集中させたいがんの部分の線量を強く、照射したくない部分を弱くすることができるので、直腸への線量を少なくし、影響を小さくできる。そのため、72グレイ以上を当てることができるようになり、手術と同等の治療効果が得られるようになった。虎の門病院放射線治療科部長の小塚拓洋医師は次のように話す。

「放射線治療では、外部照射=X線・粒子線、組織内照射=ガンマ線と、いろいろな放射線を使い、その性質を利用して周辺臓器への影響を減らしています。IMRTの登場で、X線照射も安全性を保ちつつ、十分な効果を得ることができるようになりました」

 外部照射での主な合併症は、直腸出血だ。照射後1~2年で起こることが多いが、IMRTでは5%未満に抑えられているという。そのほか、治療中に頻尿や排尿困難感、排便回数の増加も起こりうるが、ほとんどの合併症は治療後1カ月程度で軽快する。手術の合併症にみられる尿失禁や性機能障害のリスクは低い。

 外部照射は外来での治療となる。現在は1日1回、6~8週間かけて当てるのが一般的だ。さらに短い1週間でおこなう方法も出てきているという。

 一方、前立腺がんの組織内照射療法には、LDRと高線量率組織内照射(HDR)がある。HDRを実施している病院は多くないため、ここではLDRについて述べる。

 LDRは、ガンマ線を発するヨウ素125という物質を、チタンでできた直径約0.8ミリ、長さ約4.5ミリのカプセルに密封し、それを50~100個、前立腺内に埋め込む方法だ。がんのある前立腺全体を照射内におさめ、かつ、尿道や直腸などへ影響を与えにくい場所に留置する。


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