帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など多数の著書がある
帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など多数の著書がある
※写真はイメージです (撮影/多田敏男)
※写真はイメージです (撮影/多田敏男)

 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。死ぬまでボケない「健脳」養生法を説く。今回のタイトルは「目の老化について」。

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【ポイント】
(1)目の老化は認知機能に影響を与える
(2)目に直接、働きかける気功法がある
(3)4種類の目の動作を4回ずつ行う        

 年をとると目が老化します。つまり、老眼というやつですね。この目の老化は認知機能に影響を与えます。脳に入る情報の多くは視覚によるものですから、視力が落ちてしまうと、脳に対する刺激も低下してしまうのです。

 白内障の手術で視力が回復すると認知機能が高まる、視力の悪い人は視力のいい人よりも認知症の発症リスクが高いといったデータがあります。ですから、目の老化対策は、認知症予防の面からも重要なのです。

 目の老化で思い浮かぶのが臨済宗の中興の祖といわれる白隠禅師です。内観の法という呼吸法を身につけた禅師は、70歳を過ぎても、少しの病を患うことなく、歯も抜けず、目や耳もはっきりしていたというのです。特に目は老眼鏡を持っていたものの、それを忘れるぐらいだったといいます。これは内観の法が直接、目に効いたというより、心身に働いて体全体の老化を抑えたのでしょう。

 ちなみに私は、80歳になったところで、老眼鏡が必要になりました。それまでは、薬の処方に使う細かい字の事典を眼鏡なしで読んでいたので、患者さんに「その字読めるんですか、すごい」とか言われて、ちょっと得意げになったりしていました(笑)。

 これは私自身が長年、親しんできた呼吸法や気功のお陰だろうと内心、思っているのです。呼吸法や気功は普通、長年の積み重ねが重要になります。老眼が気になるようになって始めても間に合わないかもしれません。

 ところが、中国で見つけた気功療法の本『百病中醫気功療法』(王きょ生等編著)のなかに目に直接、働きかける気功法がありました。「四四運目法」といいます。これなら即効性がありそうなので紹介します。

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帯津良一

帯津良一

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

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