ADHDと診断された7歳の娘からひどい言葉 「もう嫌になる…」と悩む母親に精神科医は? (2/4) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ADHDと診断された7歳の娘からひどい言葉 「もう嫌になる…」と悩む母親に精神科医は?

連載「医療が届かずに悩んでいる方へ 一精神科医の切なる想い」

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大石賢吾週刊朝日#ライフ
千葉大学病院精神神経科特任助教の大石賢吾医師

千葉大学病院精神神経科特任助教の大石賢吾医師

子どものADHDは決して珍しいものではなく、これまでの調査では男児に多く100人のうち約3~5人の子どもが当てはまるといわれている(写真/getty images)

子どものADHDは決して珍しいものではなく、これまでの調査では男児に多く100人のうち約3~5人の子どもが当てはまるといわれている(写真/getty images)

 ADHDとされる子どもにとって周囲の大人の言いつけを守ることは容易ではありません。決して意図した結果ではないとはいえ、思い通りにいかない日々が続くとご両親であっても疲弊してしまうのも仕方のないことだと思います。実際、気分が落ち込んでしまい治療が必要になってしまう場合もあります。

 今回は、私が外来で治療にあたったADHDの息子を持つお母さんAさんのケースをご紹介しながら、皆様と育児における注意点と医療の役割を一緒に考えていければと思います(症例は匿名化の目的もあり一部改変してご紹介します)。

 Aさんは、40代で小学生の男の子を育てるお母さんです。もともと明るくて要領もよかったAさんは、大学を卒業して大手企業で働くキャリアウーマンでした。職場で出会った男性と結婚し、待望の長男が産まれたのは30代後半のとき。ご苦労の末でのお子様でご家族も大喜びだったそうです。

 そんなAさんが息子の様子に疑問を持つきっかけになったのは、幼稚園の先生からの指摘でした。先生の話では、みんなが集まって先生の話を聞いているのに落ち着かず走り回ったり、ときに他の子どもを叩いてしまうことがよくあったようです。園の勧めもあって、いつも診てもらっている医師に相談したところ「ADHDなのかもしれませんが、今の時点ではっきり診断することは難しいです。年齢が上がることで落ち着いてくるかもしれません」と様子をみることになりました。

 その後、園の先生たちが協力してくれて無事に卒園しましたが、小学校に上がってからも同様の行動は続きます。気に入らないことがあると泣き叫んだり、喧嘩をしてほかの子に怪我をさせてしまったり。Aさん自身も、当然周囲に申し訳ないと思いながらも、息子のためにどうにかしてあげなければと言う気持ちから、学校や保護者の皆さんと衝突してしまうこともあったようです。学年が上がっても状況が好転するどころか、ついにはご家族へもイライラをぶつけるようになり学校も休みがちになってしまいました。


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