最近多いのは、離婚・再婚した人が書くケース。前配偶者と現配偶者の両方との間に子どもがいれば、どちらも相続人となり、等しく相続することになる。現配偶者との子に財産を多く残したければ、分け方や相続分を遺言で指定できる。

 内縁の妻や夫がいる人も書くとよい。パートナーに財産を渡そうとしても、法律上の婚姻関係がないと相続権がない。生前に介護で世話になった友人や近所の人に対しても同様。「遺産を○○さんに遺贈する」と書けば、財産を渡せる。

「重い病気や障害を持つ子がいたり、年の差婚の男性が子どもの小さいときに先立つことに備えたりする場合も、その子の取り分をほかの相続人より増やすように遺言を残せば、将来の不安を軽減できます。民事信託とともに検討しましょう」(高原さん)

 相続させたくない意思も伝えられる。金遣いが荒い、ギャンブル三昧、お金を無心する割に面倒を見てくれない。そんな相続人がいれば、取り分を減らせる。非行が著しい場合、相続人から廃除することもできる。(村田くみ)

週刊朝日  2019年3月8日号より抜粋