他にも♪仕事探しはインディード♪の斎藤工さんや、一時期取り憑かれたように歌いまくってた高畑充希さん、そして人類史上最強の『歌のお姉さん』に登り詰めた深田恭子さんなど、いずれも歌うことを許された人たちには納得の特別感が漂います。中でも私が特に注目しているのが千葉雄大さんの♪URであ~る♪です。千葉雄大さんと言えば『ペット系男子アイドル市場』の最大手。私は密かに彼のことを職人(プロ)と呼んでいます。今日本で最も『カワイイ人間』は、きゃりーぱみゅぱみゅでもガッキーでも橋本環奈でもなく千葉雄大でしょう。彼は『カワイイ』の職人(プロ)です。

 CMで歌うことを許された男性は往々にして、これみよがしなドヤ顔でその喉を鳴らし、うっとりさせるのが主流ですが、千葉さんはあくまで女性(吉岡里帆)に調教されるという設定です。どんなに無理難題を押し付けられても「はい!」と天使のような笑顔を見せ、その要望に完璧に応える。まさに女性上位時代における理想の男性像。かと言って特段“なよなよ”しているわけでもないため男性の反感を買うこともなさそうです。何より千葉さんがすごいのは、あれをすべて確信犯的にやっているところです。あの笑顔を見るたびに♪チャリン♪と銭が投げ込まれる音が聞こえます。仕方ありません。だって掛け値なしにカワイイのですから。是非とも今後もどんどん荒稼ぎして、日本経済を活性化して頂きたいものです。

週刊朝日  2019年2月22日号

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ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

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