昼間の眠気対策として、専門家が勧めるのが「昼寝」。最近では国内外の大手企業も推奨している。大事なのは眠る時間だ。睡眠の質を考えると10~15分が適切で、これ以上長いと目覚めが悪くなったり、夜間の睡眠に影響を及ぼしたりすることがある。

 柳沢さんが昼寝で重視するのが、「首を支えること」。横になって休むのが一番だが、それができない場合は、机の上に突っ伏したり、背もたれに寄りかかったりして眠る。揺れる電車内で舟をこぐような体勢では良質な眠りにならない。

 内田さんは、専用の枕やクッションを使えばいいという。机の上で顔をうずめても寝やすいよう、真ん中に穴が開いているものも。

 昼寝が難しい場合は、おなじみの対策もある。

「コーヒーや緑茶などカフェイン飲料を飲む。あとは冷たい風に当たる、歩く、体を動かすといったことも有効です」(井上さん)

 もちろん、こうした対策はその場しのぎ。できるだけ睡眠時間を確保できるように、ライフスタイルを変えることが大事だ。

 病気が原因で眠気をもたらすこともある。人と一対一で話しているときや、食事中などに繰り返し寝落ちするような場合は、病気が関係している可能性が高い。一度専門医に診てもらったほうがよい。

 昼間の眠気をチェックするリストもある。代表的なものが上の表の、「JESS(エプワース眠気評価尺度日本語版)」。これで点数が11点以上であれば、病気の可能性があり注意が必要だ。

【エプワース眠気評価尺度日本語版(JESS)】
以下の場面を想定し、うとうと(数秒~数分眠ってしまうこと)すると思いますか? 最近の日常生活を思い浮かべて、あるいはその状況になったときを想像して答えてください。(0:うとうとする可能性はほとんどない 1:少しある 2:半々くらい 3:高い)
【1】すわって何かを読んでいるとき(新聞、雑誌、本など)
【2】すわってテレビをみているとき
【3】会議、映画館、劇場などで静かにすわっているとき
【4】乗客として1時間以上、続けて自動車に乗っているとき
【5】午後に横になって、休息をとっているとき
【6】すわって人と話をしているとき
【7】昼食後(飲酒なし)、静かにすわっているとき
【8】すわって手紙や書類などを書いているとき

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