イメクラの原点は川端康成!? 80年代に流行った背景にはAIDSも (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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イメクラの原点は川端康成!? 80年代に流行った背景にはAIDSも

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かつても今も東京・新宿は不夜城。歌舞伎町には店舗型のイメクラが今もある=2018年11月

かつても今も東京・新宿は不夜城。歌舞伎町には店舗型のイメクラが今もある=2018年11月

イメクラは様々な形に進化し、性的サービスをNGとする店舗も。耳かき店も派生した一つかもしれない=2009年、大阪  (c)朝日新聞社

イメクラは様々な形に進化し、性的サービスをNGとする店舗も。耳かき店も派生した一つかもしれない=2009年、大阪  (c)朝日新聞社

 想像力を最大限に働かせるためには、舞台装置(シチュエーション)が欠かせない。たとえば、「秘書付きレンタルオフィス」と銘打ったイメクラ。部屋の中には事務用の机が置かれ、電話も置いてある(回線はつながっていない)。それらしくスーツ姿で待機する秘書。部屋には2人だけ。最後は手や口でスッキリさせてくれたという。

 現実の世界では犯罪行為にあたるが、電車のつり革をつるし、本物らしい座席を据えつけ、立席用つかみ棒まで立てて、痴漢行為の雰囲気を楽しむ店もあった。ご丁寧にも、電車が出発する音や「ガタンゴトン……」と列車が揺れる音まで流す演出ぶり。

 壁に黒と白の幕を張り、中央に仏壇を作ってお通夜のムードを醸し出す店もあった。やがて女性が喪服姿で現れ、喪服プレイをするのである。懐中電灯を手に、暗い部屋の中に入る「夜這いプレイ」もあった。屋内にキャンプ用テントを張り、寝袋を用意した疑似アウトドアもあった。

 幼児プレイ、セクハラプレイ、人妻プレイ……。内容について詳しく書くのは避けるが、聞いただけでも顔が赤くなってしまうような行為が繰り広げられた。たしか伊丹十三監督の映画「お葬式」にも野外での男女の行為を描いた濡れ場シーンがあった。喪服姿だけに背徳的とも見える描写。だが、それが逆に観客の興奮を誘った。

 映画の例を引くまでもなく、イメクラでは制服(コスチューム)を身につけてその職種になる設定の店が多い。飛行機の客室乗務員、看護師、女医……。女学生のセーラー服姿も人気が高い。

「制服には『神聖なるもの』というイメージがある。それを犯すことが性的興奮を呼ぶのかもしれません」。そう話すのはSMの精神的世界を表現するパフォーマーであり、元ポルノ女優であり、『性の仕事師たち』の著書がある早乙女宏美さんである。

 早乙女さんによると、客の中には自らが書いた台本を持って来店する人もいるそうである。どんなストーリーにするかあれこれ考え、実践するのが楽しいのだろう。「抜く」という行為がなくても十分満足して帰る客もいたという。ほかの風俗産業では考えられないことである。


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