ほくろと思っていたら皮膚のがんだった! 医師が教える見分け方「ABCDルール」 (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ほくろと思っていたら皮膚のがんだった! 医師が教える見分け方「ABCDルール」

連載「現役皮膚科医がつづる “患者さんと一緒に考えたいこと、伝えたいこと”」

大塚篤司週刊朝日#ヘルス
京都大学医学部特定准教授の大塚篤司医師

京都大学医学部特定准教授の大塚篤司医師

ほくろとメラノーマの違い

ほくろとメラノーマの違い

B (Borderless:辺縁不明瞭)
 ほくろの辺縁がはっきりしているのに対し、メラノーマの辺縁は不明瞭です。これもがん細胞の多様性によるものです。メラノーマはほくろのがんと言われますが、正しくは、皮膚の色をつくる細胞であるメラノサイトががん化したものです。人の皮膚の色はメラノサイトがつくるメラニンの量によって濃さが変わります。メラノーマ細胞はがん細胞です。がん細胞には多様性があることから、それぞれのメラノーマ細胞がつくるメラニンの量に差が見られます。その結果、辺縁が不明瞭になります。

C (Color:色調)
 メラノーマは真っ黒の部分と薄い部分が不規則に混在します。辺縁不明瞭(Borderless)の部分で説明したように、メラノーマ細胞がつくるメラニンの量はがん細胞ごとに異なります。その結果、メラノーマには色ムラができます。色調が単一かどうかはメラノーマとほくろを見分けるうえで重要な要素です。

 また、メラノーマは自然消退と言って、自然に消えることがあります。免疫細胞に攻撃された結果と考えられています。自然消退した部分は、普通の肌色に戻ります。メラノーマには、黒の濃さに違いがあり、ときどき黒い中に肌色の部分があるのが特徴です。

 ちなみに、完全に自然消退したように見えたメラノーマが数年後、再発・転移して見つかることがあります。消えたように見えてもメラノーマ細胞は体のどこかに残り、生き続けていると考えられています。つまり、「消える」イコール「治る」ではありません。自然消退したほくろに関しては、メラノーマを疑うことがあります。

D (Diameter:直径)
 メラノーマかどうか一番わかりやすい項目として、大きさがあります。メラノーマはがんですので、時間とともに大きくなります。その直径が6-7mmを超えると、メラノーマの可能性が大きいです。診察では普通、ノギス(いわゆる物差し)を使って大きさを測ります。1ヶ月後、半年後と経過をみていき、ほくろが大きくなってくるようなら要注意です。

 これは完全に恩師の受け売りですが、大きさを判断するのに一番お手軽なのは鉛筆です。鉛筆の直径がだいたい7mmありますので、鉛筆の裏側を押し当てて隠れるかどうかチェックすると簡単にわかります。私は今でも医学部の学生にABCDルールを説明する際は鉛筆の話をします。


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