この地域枠を導入する大学は年々増加しており、文部科学省の調査によると、2017年度の時点で実施校は71大学にのぼります。尚、決められた勤務条件が継続できないと、学費を返還しなければならなくなるので、その点は注意が必要です。そのほか、大学が用意している学費軽減制度もあります。


 
 地方の医学部は1970年代にできた新設医大がほとんどなので、成績が優秀な場合は、地元の医学部ではなく、旧帝大(北海道大・東北大・東京大・名古屋大・京都大・大阪大・九州大)などの医学部を目指すこともあります。
 
 また医学部受験では、勉強の進度が速い中高一貫校のほうが有利なため、公立高校の生徒は浪人して医学部を目指すことも少なくありません。

■医師になった人がしていた人気の習い事

 今回、子どもを医師にした4家族に「どんな習い事をさせていましたか」と聞きました。ズバリ、人気だったのは「ピアノ」と「スイミング」。今回のケースの4人ともどちらか、あるいは両方を習っていました。
 
 私立の中高一貫校が多い首都圏や関西圏では、幼児教育を受けさせた後、中学受験塾に通わせ「医学部に強い高校」にランクインするような名門進学校を目指すご家庭も少なくありません。中高一貫校の勉強の進度の速さは、成績優秀な生徒にはメリットです。

 しかし、デメリットもあります。名門の中高一貫校に入学したものの勉強についていけなくなり、進度の速さが仇となって成績が低迷してしまうのです。結果、予備校の費用がかさむことになります。

■2浪で偏差値38から70へ、私大御三家に合格
 
 では、医師になるまでにかかったお金を知るために、あるご家族の教育費を見てみましょう。

 Dさんは就学前に「スイミング」を習いました。小3まで続けましたが、その後は小5まで「ピアノ」を習います。2つとも人気の習い事です。

 また、小3の2月から小6の1月まで、難関中学の合格実績で定評のある進学塾の「浜学園」に通いました。小学校時代には塾に通ったこともあり、6年間の教育費は282万円でした。

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中学受験で燃え尽きた?