「今年のW杯ロシアで柴崎選手の活躍が、日本代表の躍進につながりました。また、日本代表からの引退を宣言しているボランチを務めた長谷部選手も、五輪代表を狙わないとは言っていないので、もし招集に応じるなら面白いかもしれません」(木崎さん)

 オーバーエイジ枠となると、あの男を思い出す人は多いのではないか。本田圭佑だ。オーストラリアのメルボルン・ビクトリーへ移籍し、同時にカンボジア代表監督との兼任を発表して世間を驚かせた。本田は日本代表からの引退は宣言したが、「東京五輪を目指す」と新たな目標を定めた。2年後には34歳だが、木崎さんは入り込む余地はは十分あると見ている。

「森保監督の采配を見ると、途中から出場し決定的な仕事をする“ジョーカー”の役割をする選手を好んでいるように感じます。今大会でいうと上田選手です。本田選手はロシア大会で途中出場でゴールなど決定的な仕事をした様に、90分間の出場は厳しくても、短時間なら十分結果を出せる力はあります。また、メルボルンではボランチをしたいとも話しているので、メルボルンでの活躍次第ではボランチで出るチャンスもあると思います」

 果たして、今後オーバーエイジ枠に本田の選出はあり得るのか。

 風向きを決めそうなのが、アジア大会決勝の韓国戦だ。今回の韓国代表は、同じく五輪代表が中心だがオーバーエイジ枠で、イングランドプレミアリーグの強豪・トットナムでレギュラーのソン・フンミンやガンバ大阪で活躍するファン・ウィジョといった実力者が参加している。

 その理由として、韓国は優勝すれば約2年の兵役が免除されるからだ。キャリアの全盛期に兵役につくことは、韓国のサッカー選手たちにとっては非常に痛い。日本以上にモチベーションが高いのだ。

 そんな韓国相手に万が一勝つことができれば、「やっぱりオーバーエイジ枠いらないかも?」「本田入らなくても十分強いよ」と思わせられるかもしれない。運命の決勝は9月1日だ。(本誌・大塚淳史)

※週刊朝日オンライン限定記事