タイトルは「性差を超えた戦い」の意味。性差別が著しかったこの時代。女性は自分の名前でクレジットカードを持つことさえ厳しかったという。伝説のテニス女王キング夫人を「ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーンが熱演!/監督 V・ファリス&J・デイトン/6日からTOHOシネマズシャンテほか全国順次公開/122分 (c)2018 Twentieth Century Fox
タイトルは「性差を超えた戦い」の意味。性差別が著しかったこの時代。女性は自分の名前でクレジットカードを持つことさえ厳しかったという。伝説のテニス女王キング夫人を「ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーンが熱演!/監督 V・ファリス&J・デイトン/6日からTOHOシネマズシャンテほか全国順次公開/122分 (c)2018 Twentieth Century Fox
 (c)2018 Twentieth Century Fox
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 白熱のテニスマッチを描く実話『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』が7月6日、全国で公開される。

【映画の場面写真はこちら】

 1973年、全世界で9千万人をくぎ付けにした決戦があった。女子テニス世界チャンピオンのビリー・ジーン・キング(エマ・ストーン)と、元男子チャンピオンのボビー・リッグス(スティーブ・カレル)の一戦だ。女子の優勝賞金が男子の8分の1だったこの時代、男女平等を求めたビリー・ジーンは仲間と共にテニス協会を脱退し、「女子テニス協会」を立ち上げる。そんな彼女に男性優位主義の代表として挑戦状をたたき付けたのがボビーだ。ギャンブル癖のせいで妻から別れを告げられた彼は、この試合に人生の一発逆転を賭けていた。

 果たして、一度は挑戦を拒否した彼女が、すべてを賭けて戦う理由とは? 性差を超えた戦いが幕を開ける。

 本作に対する映画評論家らの意見は?

■渡辺祥子(映画評論家)
評価:なかなかGOOD!
女子テニス選手の優勝賞金が男子の8分の1だった現実を背景に、お調子者の男性選手の挑戦を受けて立つキング夫人が戦いに求めた真の平等が胸に沁みる。実話をコミカルに仕立てて楽しめるが、テンポの緩さが気になった。

■大場正明(映画評論家)
評価:なかなかGOOD!
今なら低俗な見世物になりかねない対決が、真剣勝負として異様な熱狂を生み出していく。そんな実話が、差別が顕著だった時代を端的に物語っている。ヒール役を見事にこなしながら、哀感まで漂わせるカレルの演技が凄い。

■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:超オススメ、ぜひ観て
女性の強さを見せつけたい作品ではあるが、誰が観ても嫌な気持ちにならない。それは男女問わず、みんなが頑張っているから。しかし涙を誘ったのはビリー・ジーンの旦那の優しさ。時代へのこだわりも冒頭から感じる!

■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:なかなかGOOD!
日本では知られていない歴史的な試合であり、男女の権利の平等が問題になることが多い昨今だからこそ観るべき作品である。プレッシャーの過酷な状況でのビリー・ジーン・キングの意志の貫き方の強靱さには敬服する。

週刊朝日 2018年7月13日号