【2】負担付死因贈与 やはりペットを託す人、託される人の合意のもとで「自分が死んだ後、この犬()の世話をすることを条件に、財産を残す」と、ペットとお金をセットで贈与する契約を結ぶ。

「個人的には遺言よりも『負担付死因贈与』のほうがおすすめです。遺言は相手の合意があっても、基本は残す人からの一方通行。『あのときはいいわよと言ったけれど、やっぱり無理』と放棄されてしまう可能性もある。負担付死因贈与は双方で結ぶ契約なので、勝手に放棄することはできず、遺言よりも託された人の責任や縛りが強くなります。負担付死因贈与契約も公正証書にするほうが安心ですね」(川合さん)

【3】ペットの信託 最近「ペット信託(R)」という名称で広まりつつある。シンプルに言うと「残したお金が確実にペットのために使われるか」を第三者が管理し、監督してくれるシステム。

 あらかじめペットのための財産を用意し、管理してくれる人や会社との間で信託契約を結ぶ。もしものときには、信託契約により財産を託した人や会社から新しい飼い主にペットのための飼育費や医療費が支払われる。さらに信託監督人(一般に弁護士や司法書士などがなる)が「そのお金がきちんとペットのために使われているか」を監督する。遺贈や死因贈与と違い、飼い主が認知症になったり、入院で飼育が困難になった場合にも対応できる。

「信託は仕組みが複雑で、関わる人が多いため、先の二つの方法より費用がかかります。契約を結ぶための費用のほか、信託監督人への費用が月々3万円ほどかかる場合もあります。それに、そもそも新しい飼い主となる人は自分で探さなくてはなりません。ペットにお金を残すには、なによりも生前に信頼できる人や団体を見つけることが第一なのです」(川合さん)

 つまり、いずれの方法もペットの面倒を見てくれる人を自分で探さなければならないのがネックだ。そのハードルを低くしたのが、NPO法人のネットワークを生かしたサービスだ。

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