ペット業界関係者によると、1回目のアンケート結果が、販売規制を強化しても「犬やの健康状態や社会性は良くなる傾向のほうが強い。経営への影響はあまりない」といった内容だったため、ZPKのある幹部の意向で急きょ差し替えが決まったという。ZPKをはじめとするペット関連の業界団体では、販売規制の強化によって「犬や猫の健康状態や社会性はかえって悪くなり、経営には悪影響がある」と主張してロビー活動を展開してきたが、「この主張と矛盾するアンケート結果が出たことに、ある幹部が激怒したのです」とペット業界関係者は明かす。

 中川環境相は会見で、「質問事項も違うということで、結果が違っているという説明もいただいておりまして」とも述べている。これについてもZPK側の説明には無理がある。

 1回目と2回目のアンケートの質問事項を比べると、規制強化に関する議論のカギとなる幼齢な子犬・子猫の「健康状態」や「社会性」に対する質問については、基本的に同じ内容になっている。表現について細かな違いはあるものの、「質問事項が違う」とは言い切れない。

 朝日新聞の取材では、ペットオークション(競り市)の現場で、2回目のアンケート用紙を担当者が配布する際に、回答の誘導とみられる行為があった。担当者が、

「前回は何日で出荷しても変わりないかのようなアンケート結果だったけど、みんな本当にわかってるの。負担が増えるし大変なことになるよ」

 などと呼びかけていたという。

 ペット業界関係者は朝日新聞の取材にこう憤る。

「ZPKの一部の幹部によって、組織の機関決定も経ずに、アンケート結果を改ざんするようなことが行われた。環境省にも実態と異なることを言って、アンケートを再提出することにした。ZPKにとってマイナスだし、ペット業界全体が社会的信用を失ってしまう」

 中川環境相は、今回の問題について「調査するということは考えておりません」としている。

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