「赤ちゃんがいるんですー」新幹線内は阿鼻叫喚 通報者が語る10メートル先の“血の惨劇” (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「赤ちゃんがいるんですー」新幹線内は阿鼻叫喚 通報者が語る10メートル先の“血の惨劇”

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中川透週刊朝日

新幹線が緊急停車したJR小田原駅は騒然とした(提供・稲本義彦氏)

新幹線が緊急停車したJR小田原駅は騒然とした(提供・稲本義彦氏)

血の海となった新幹線の通路(提供・稲本義彦氏)

血の海となった新幹線の通路(提供・稲本義彦氏)

 東海道新幹線内で9日夜、乗客の男女3人が男に刃物で殺傷された事件から一夜明け、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された小島一朗容疑者(22)の凶行の詳細が110番通報者の証言で明らかになった。

【新幹線3人死傷事件】車内通路は血の海に…騒然とした数々の現場写真はこちら

 惨劇のあった12号車に同乗していた東京都内のフリー編集者の稲本義彦さん(55)が、週刊朝日の取材に改めて当時をこう振り返った。

「女性の悲鳴の中には、『赤ちゃんがいるんですー』との叫び声も聞こえました。デッキ付近では逃げ込む乗客が折り重なって、阿鼻叫喚の光景でした」

 事件が起きたのは、東京発新大阪行きの東海道新幹線「のぞみ265号」で、午後9時45分過ぎ。稲本さんは仕事で京都へ向かっていた。車両の中ほどに座っており、弁当を食べ終えてスマホを触りながらくつろいでいたところだった。

 静かな車内に突然、「キャー、キャー」という女性の悲鳴が聞こえ、バタンバタンと大きな物音。尋常でない声に驚いて後ろを振り返ると、車両の出入り口付近で、包丁のようなものを持った容疑者が被害者の男性に切りつけていた。稲本さんの座席から10メートル足らずの距離だった。

「2人がもみあっていましたが、容疑者は『殺してやる』などの怒号は発せず、ずっと無言。被害者の方からも「助けて」などの言葉が聞こえず、今振り返ると、とても異様な雰囲気でした。菜切り包丁に似た刃物はさびているようにもみえ、最初は木の棒でたたき付けているように映りました。容疑者は眼鏡をかけていておとなしそうな風貌で、とても不器用なしぐさで刃物を振り下ろしていました」

 悲鳴をあげながら、出入り口付近へと駆け込む乗客。ぼうぜんとして座席に腰を下ろしたままの人もいた。「キャー、キャー」「赤ちゃんがいるんですー」。女性の乗客が普段より多いようにみえた12号車は、泣きわめく声でいっぱいに。子どもを抱き抱えながら脅える人もいた。出入り口付近では慌てた乗客が倒れ、数人が折り重なっていた。


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