だが、「安倍3選の風向きが変わるかも」と注目されているのは6月10日投開票の新潟県知事選だ。自公が支持する元副知事で前海上保安庁次長の花角英世氏と「野党統一候補」の元県議の池田千賀子氏の一騎打ちとなる。

 東京電力柏崎刈羽原発の再稼働の是非が大きな焦点となる。「原発0」を訴える小泉純一郎氏は告示前の5月23日、新潟県で「原発ゼロのにいがた」を掲げている野党候補の池田氏を激励した。

 一方、与党系の花角氏は「再稼働の是非を判断する」と慎重姿勢をみせる。

自民党の世論調査で当初、花角氏40ポイント、池田氏38.5ポイントと接戦だった。昨年の衆院選でも、新潟で自民党の金子恵美が落選するなど大苦戦したので、安倍さんもここが勝負どころとわかっている。官房機密費をブチ込んででも勝つ気です。負けたら、安倍さんでは選挙に勝てないと3選は赤信号になる。自民党の追い上げで直近の調査では花角氏44ポイント、池田氏39ポイントと差が開きつつある」(政府関係者)
 しかし、まだまだ予断は許さない状況だ、と自民党議員は打ち明ける。

「いま、新潟で自民党はモリカケ疑惑で不人気の安倍隠しを必死でやっている。選挙後半戦で自民党が人気者の進次郎氏を応援弁士として投入してくるかがポイントになる。だが、父親の純一郎氏が柏崎刈羽原発の再稼働に危機感を抱き、野党の池田氏の応援に立てば、進次郎氏は新潟に入りにくくなる。選挙戦の鍵は小泉親子が握っています」

 前回の新潟知事選挙では、自民党が推す候補が、当選した米山知事に10ポイント近く世論調査ではリード。それが後半に大逆転を許してしまった。

 安倍首相の逃げ切りを許すか否かは、新潟県民の民意にかかっているのか。(本誌取材班)

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