■大腸3D-CT

 大腸内視鏡検査を敬遠する人にとって有用な検査のもう一つの選択肢に大腸3D-CT検査がある。

「大腸にガスを入れて拡張し、マルチスライスCTで撮った画像をもとに、3次元画像を作ります。立体画像、開いた画像、仮想内視鏡画像などにより、内視鏡を挿入することなく、診断することができる検査です」

 そう説明するのは、川崎胃腸科肛門科病院院長の川崎俊一医師だ。下剤を飲む量は通常の大腸内視鏡検査の半分程度で済み、苦痛も少ない。検査時間も10分から15分ほどの短時間で終わる。そして、内視鏡で観察しにくい部位を見ることができ、外側からも大腸を観察できるのがメリットだという。保険適用であり、大腸内視鏡検査と同程度の金額で受けられる。

「組織を採取することができないため、疑わしい病変が見つかった場合には、通常の大腸内視鏡による追加の検査が必要になります。しかし、今まで内視鏡検査を避けてきた人が、検査を受けてみようと思うきっかけになります。大腸3D-CTおよび、通常の内視鏡検査の経験が豊富な医師に相談してみてください」(川崎医師)

東京慈恵会医科大学病院
総合健診・予防医学センター長
加藤智弘医師

川崎胃腸科肛門科病院 院長
川崎俊一医師

(文/伊波達也)

*週刊朝日ムック「大腸がんと診断されました」より